Oops! It appears that you have disabled your Javascript. In order for you to see this page as it is meant to appear, we ask that you please re-enable your Javascript!

TPP11(環太平洋経済連携協定)とは?加盟国、アメリカ離脱

TPP11(環太平洋経済連携協定)

TPP11(環太平洋経済連携協定)とは?~加盟国から内容まで~

  • TPP11(環太平洋経済連携協定)についての概説
  • TPP11(環太平洋経済連携協定)
  • についての全体的経緯
    • 拡大交渉会議開始(2010年)までの動き
    • 拡大交渉期間(2010年~2015年)の動き
    • 協定署名・アメリカ合衆国の離脱(2015年~2019年)の動き
  • TPP11(環太平洋経済連携協定)についての各国の経緯
  • アメリカ離脱の原因
  • TPP11(環太平洋経済連携協定)についての今後

(1)   TPP11(環太平洋経済連携協定)についての概説

TPP11(環太平洋経済連携協定)とは、環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTTP:Comprehensive and Progressive Agreement for Trans-Pacific Partnership)の略称で、11か国の協定となったためTPPの後ろに“11”をつけて名付けられています。

参加11か国の総人口は約5億人になり、国内総生産(GDP)の総合計では、世界経済の13%ほどを占める約10兆米ドルともいわれています。

このTPP11(環太平洋経済連携協定)協定は基本的に2015年(平成27年)10月にアメリカのアトランタで参加各国の閣僚会議で大筋合意を得ることができたことで本格的な発効のための活動がなされました。

参加国としては、その名の示す通り太平洋を囲む諸国となりますが、地政学的にニュージーランドから時計回りに明記しますと、ニュージーランド、オーストラリア、ブルネイ、シンガポール、マレーシア、ベトナム、日本、カナダ、メキシコ、チリ、ペルーの11か国になっています。

ここでは、これら11か国が参加する「TPP11」ついて概説を行います。

名称として複雑な部分を残しているのが、「TPP12」という略号が残っていることです。

この場合、TPP12はアメリカ合衆国が参加する意向を示していた時代に行っていた協定協議を区別するために、敢えて、現行の環太平洋パートナーシップのことをTPP11またはCPTTPというようにしています。

逆に、アメリカ参加の時の協定をTPP12と呼び区別しています。

まず、TPP11(環太平洋経済連携協定)内容的なものは、『加盟国間における関税の撤廃』、『「投資家」対「国家」の紛争解決』、『知的財産権(特許、著作権の保護期間など)の保護』、『投資に関わるルールの整備』といったものが主要で大きなテーマになっています。

つまり、環太平洋地域の国々による経済の自由化を目的とした、多角的な経済連携協定 (EPA:Economic Partnership Agreement)ということができます。

EPAは主として二国間での協定を言いますが、多国間ではPartnershipという用語がよく使われています。

日欧EPA発効とは?対象品目は?
海外の国との貿易を行ううえでポイントとなるのが、関税です。この関税撤廃をもりこんだ経済連携協定が日本とEUの間でなされています。協定を結んだことで従来から関税の取り決めがどのように変わったのか、ご紹介したいと思います。日欧EPAと...

したがって、地政学的に太平洋を取り囲む諸国がお互いの利益・便益のためにこのTPPによってよりスムーズに実行できるようにするというのが主目的になります。

また、各国の私企業が進出先での国家との紛争を調停する制度なども大きくクローズアップされています。

さらに、このTPPにはアメリカの参加が見込まれていましたが、交渉開始時にはオバマ大統領で参加に積極的な姿勢を示しリーダーシップを取るまでの状態だったのですが、ドナルド・トランプ氏が大統領になってからは消極的な姿勢に打って変わり、最終的には不参加ということになりました。

アメリカが関係するこのTPPに類する条約としては、大西洋横断貿易投資パートナーシップ協定 (TTIP:Transatlantic Trade and Investment Partnership)、北米自由貿易協定 (NAFTA:North American Free Trade Agreement)があります。

前者のTTIPは、アメリカ合衆国とヨーロッパ連合(EU)との間の協定ですが、各々の国内で「安全基準を下げ、公的サービスの質を下げるような条約である」とし、「国民の権利を脅かすものである」という指摘がある協定でもあります。

2015年10月時点でアメリカ国内250万人が反対の署名を行っていることでも有名な協定です。

EU域内における賛否の調査では、回答者の97パーセントがTTIPに反対していたとの結果も出されています。

一般的には、ティーティップと呼ばれる協定でもあります。

さらに、後者のNAFTA(ナフタ)は、アメリカ、カナダ、メキシコの3か国によって結ばれた貿易協定です。

この協定は、2018年9月に米国、メキシコ、カナダが「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA:United States–Mexico–Canada Agreement)」に置き換えると公表されました。

USMCAは、加盟国による2017年から2018年にかけてのNAFTAの再交渉の結果として成立した協定です。

しかし、一方ではUSMCAが加盟国によって批准されるまでNAFTAは有効となっています。

こうした地政学的に近接する国々によって、自国の所属する地域の間で結ばれる協定が多くなってきています。

後述しますが、そうした域内の経済活動であっても自国の経済のみならず、労働環境、自然環境、文化などに大きく影響を与えるとして様々な妥協の上に成立する場合が多いようです。

また、「投資家対国家紛争解決(ISDS:Investor State Dispute Settlement)」と呼ばれる「民間」対「国家」の紛争に関する新たなルールも大きな話題になりました。

概説上詳細な言及は避けますが、この多国間協定を締結するには各国の利害関係を調整し、強行するところは強行し、譲歩するところは譲歩するということで成り立っており、各国国内での調整・承認を得た上で、締結となり発効するという手順になります。

通常二国間の条約などでは、あまり見られない丁々発止のやり取りが見られ、外交の醍醐味を見ることができるケースになります。

その意味で、この協定発効までの経緯をいろいろな角度から見ることで興味深い内容になっていると思います。

スポンサーリンク

(2)     TPP11(環太平洋経済連携協定)についての全体的経緯

TPP11(環太平洋経済連携協定)をこれから以降は、単にTPPと称しながら紹介していきたいと思います。

そもそもの始まりは、2002年(平成12年)に開催されたアジア太平洋経済協力会議(APEC:Asia-Pacific Economic Cooperation)の首脳会議において、チリ、シンガポール、ニュージーランドの3か国間でP3-CEP(Pacific Three Closer Economic Partnership )として交渉が開始したのが始まりです。

その後2005年(平成14年)にブルネイが加わり、P4(Pasific4)となりました。

次いで同年2005年に、TPSEP(Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement)として始まりを見ます。

つまり、シンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの4か国間でのEPAとして発足したものでした。

このTPSEPは、各々の国で国内手続きを終えて、翌年の2006年にはシンガポール、ニュージーランド、ブルネイ、チリの順で発効するに至っています。

種々の報道や文献などでは現代のTPP11(環太平洋経済連携協定)との異なりを示すために、当時の協定のことをP4協定(P4 Agreement)と称して現協定として区分する場合がありますので注意してください。

この時の現協定の内容は、加盟4か国間の全ての関税の90%を撤廃することなどを含めて、産品の貿易関係、原産地規則関係、貿易救済措置関係、衛生植物検疫措置関係、貿易の技術的障害関係、サービス貿易関係、知的財産関係、国や自治体による公共事業や物品・サービスの購入などを規定する政府調達関係、競争政策を含む自由貿易協定で網羅される全てのメイン項目をカバーする包括的な協定として発効しました。

これらは、加盟国の戦略的提携によってマーケットにおけるプレゼンスを上げることが第一の目的とされ、往々にして先進各国から後進国扱いされる場合も多い4か国での協定としては画期的なものでした。

この協定の条文では、主文、序文、各章(全20章より構成されています)、付属書(Appendix)として4か国それぞれについてと「原産地規則」「サービススケジュール」から構成されていました。

しかしながら、この4か国によりEPAともいうべきP4協定では、やはり国力の差や他の地域連携協定には太刀打ちできないスケールとなっていることから、原協定の第20章 最終規定の第1条および第2条、つまり最後の最後に4か国以外の国々にも参加してもらいたいとの意向が滲み出る文言が付されています。

外交上の苦しさを匂わせる条文の書き方ですので、参考に追記します。

「別段の合意が無い限り、この協定に投資に関する章と金融に関する章を盛り込むことを目的として、この協定の発効(2006年5月28日)から遅くても2年後までに交渉を開始する」と定められることになりました。

つまり、簡単に言うと、「投資と金融に関しては4か国が一致して反対しない限り2008年迄に他国との交渉を開始させ参加を促します」というほどの意味に解釈されています。

したがって、シンガポール、ニュージーランド、ブルネイ、チリの4か国だけでは、投資や金融の問題が大きなインパクトを持って世界に訴えられないという自己評価があったものと考えられます。

この2年間の期間を「拡大交渉期間」と位置づけられ、この期間の協定を環太平洋パートナーシップ(TPP:Trans-Pacific Partnership)と言い慣わすようになりました。

内容的にはP4協定の拡大版とでもいうべきものでした。

また、この期間の協定を特にTPSEP(Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement)とも英名表記されることがあるので注意してください。

ただし、日本語では同じ「環太平洋パートナーシップ協定」と言われていますので混同しがちになります。

次にこの拡大交渉が開始してからを時間経過を追ってご紹介したいと思います。

 拡大交渉会議開始(2010年)までの動き

2008年には、世界経済を巻き込んだ、かの有名な「リーマンショック」があった年で、この経済ショックの直後にアメリカからは「投資・金融」に関する交渉に参加するとのコメントが通商代表部(USTR:Office of the United States Trade Representative)から公表されました。

なお、このUSTRは日本でいう経済産業省(旧通商産業省)と同じような役割を持った組織になります。

そして、その年に現加盟国の4か国とともにアメリカが参加を公表し、オーストラリアや日本にも参加を促しました。

この時に、オーストラリアは参加を検討しましたが、日本は参加を見送っています。

翌年2009年にアメリカ合衆国のオバマ大統領が再度強く参加を公表し、「米国製品の輸出拡大」と「雇用確保」などのメリットを強く訴えていました。

さらに続く2010年初頭にはペルーが交渉参加を発表しました。

ここで、注意していただきたいのは、あくまでも「交渉に参加する」ということで、「協定に参加を決定する」ということではないということです。

協定に参加するには、あくまでも交渉の場につくことが前提条件となるため、「交渉参加」という表現が使われます。

おおむね外交の世界では余程の国内情勢の変化や自国に対する障害がない限り交渉の場につけば協定発効まで順調に進む場合が多いようです。

 拡大交渉期間(2010年~2015年)の動き

いよいよ、原協定P4を基本に他国参加のものと交渉が開始されるに至りました。

この時が2010年(平成22年)3月で、オーストラリアにおいて、原加盟4か国にアメリカ、オーストラリア、ベトナム、ペルーの4か国を加えた計8か国で第1回交渉会合が開催されました。

その後、この8か国にマレーシアが参加を表明し、2010年年内だけで、第1回を加え4回の会合を開いています。

翌年の2011年には、9か国で6回の交渉を行っています。

さらに2012年には5回開催されました。

この年の12月には11月の中間会合から交渉に参加したメキシコとカナダが始めて全体交渉に参加するにいたって、アメリカを含めての11か国となりました。

2013年にようやく日本が交渉参加を表明するにおよび、アメリカ合衆国を含めた12か国態勢になりました。

この年、首脳会合1回、閣僚会合1回、全体会議4回と首席交渉官会合が3回開催されました。

2014年には、首脳会議1回、閣僚会議7回(このうち2回は日米間で2国の閣僚会議が持たれました)、7回の首席交渉官会議が開催されています。

さらに2015年には首脳会議2回、閣僚会議3回(このうち1回は日米間で2国の閣僚会議が持たれました)、首席交渉官会議が5回開催されました。

その後ついに、2015年10月にTPP交渉が大筋で参加各国において合意されるに至り、2015年11月5日にはTPP協定の全体が暫定条文の形で初めて公表されました。

こうした大筋合意までに至るまでには、多くの会議・会合がもたれ、首席交渉官、閣僚、首脳といった様々なレベルでの交渉が行われてきたことが理解できます。

この協定の特徴としては原協定がそうであったように網羅的な国家間協定であることから様々な利害が発生し、調整するにも莫大な時間と労力が必要となっているのが理解できます。

一方、先日米国が条約破棄した「核兵器不拡散条約(NPT:Treaty on the Non-Proliferation of Nuclear Weapons)」などは単一の目的をもって条約を結ぶため比較的単純な交渉過程で諾否が決定されています。

その反面、経済だけでなく、ありとあらゆる国家間交渉のルール化を行う意味でこのTTPについては水面下で外交上の乱戦になっていたことは容易に想像できます。

協定署名・アメリカ合衆国の離脱・協定発効(2016年~2019年)の動き

さて、長年頻回にわたり各レベル間交渉を経ていよいよTPP協定の調印に至ることになります。

まずは、2016年2月にオーストラリアのオークランドで12か国により署名されました。

この時期には、アメリカ合衆国もバラク・オバマ大統領の指揮の下、署名に参加していました。

しかし、2017年1月にTPPに反対していたドナルド・トランプ氏が大統領になったことによりTPPより離脱することが公に表明されることになりました。

このことは、次項の「(3)各国の経緯」及び「(4)アメリカ離脱の原因」で詳述しますが、アメリカ合衆国内でも賛成する機運と反対する機運が真っ向から対立しており、トランプ大統領の支持基盤がTPP参加に反対している層が多く支持を得るがために反対を表明したとも見られています。

TPP協定に関しましては、アメリカ合衆国の離脱を受け、それまでに合意した市場開放、貿易ルール、投資ルールの適応には、協定の大幅な修正に迫られています。

しかし、アメリカ合衆国の離脱と相前後して各国内の承認手続きが進められていた事実もあり、日本が2017年1月20日、ニュージーランドが2017年5月11日に協定受託のための国内手続きを完了しています。

その他の国々ではアメリカ合衆国の離脱を巡って国内手続きの進捗は捗々しく進捗していないのが現実問題として残っていました。

しかし、それでも2019年現在迄でも各国の協議は継続され、アメリカ合衆国抜きの協定が着々と出来上がりつつあります。

具体的にその経緯をご紹介します。

2017年1月のアメリカ合衆国離脱を受けて、同年5月にはアメリカを除いた加盟11か国で新TPP協定(ここで初めてTPP11という用語が出てくることになりました。)の発効を目指すことになりました。

2017年には、首席交渉官会合が4回、閣僚会議が1回開催されることになりましたが、首脳会議は開催されていません。

これには、カナダからの首脳会談開催の拒否があったためとされています。

2017年にはニュージーランドで、TPPに対して比較的否定的な新政権が政権与党になりましたが、TPPへの加盟方針へ転換することで協定参加を維持しています。

また、この年の主な交渉内容はアメリカ合衆国離脱を受けて凍結する条項の再吟味を行うことに注力されました。

具体的に主要な内容は以下の通りです。

つまり、「医薬品データを8年間保護する項目」の凍結、「著作権の保護期間延長」、「政府調達の規制緩和などの凍結・修正」などでした。

2017年11月に至り、大きく20項目についてアメリカ合衆国の復帰を前提として凍結するという大筋で合意し、その協定内容を総称する名称として「包括的及び先進的な環太平洋パートナーシップ協定(CPTPP:Comprehensive and Progressive Trans-Pacific Partnership)」にすることになりました。

そのため、いろいろな報道やレポート、文献などでは「CPTPP」と記述したり、単にTPP11と書かれたりしているのが実情です。

2018年の動きとしては、東京で首席交渉官会議が開催されることで凍結項目が確定し、3月にチリで参加11か国による署名式を行うことで合意しました。

この間アメリカ合衆国大統領であるトランプ氏は、ややその姿勢を軟化させ、就任時「永久に離脱する」としていたTPPへの参加を「より有利な条件であれば検討する」と復帰を匂わせるような発言を表明したりしました。

一方では、2018年3月8日にチリのサンティアゴでTPP11による署名がなされるに至りました。

これにより、世界人口のおおよそ6%に当たる約5億人の経済圏が成立し、GDP総額では、約1,100兆円規模の経済連携協定になりこれは世界の13%程度に匹敵する規模となっています。

協定調印を経て、各国国内の批准になるわけですが2018年10月オーストラリアが批准

これにより2019年12月30日においては、メキシコ、日本、シンガポール、ニュージーランド、カナダ、オーストラリアの6か国で発効することになりました。

その他の国ではベトナムが2019年1月14日に発効しましたが、アメリカ合衆国の離脱を受けて国内作業が停滞していたブルネイ、マレーシア、ペルー、チリは2019年度内に発効することになっています。

スポンサーリンク

(3)    TPP11(環太平洋経済連携協定)についての各国の経緯

まず、TPP11に関する「原加盟国」の動きを見てみたいと思います。

シンガポール

シンガポールは2018年7月にCPTPPを批准し、CPTPPの3番目の締約国になりました。

チリ

現加盟国4か国の一つであるチリにおいても、チリ国会の下院で2018年11月にCPTPP批准議案が提出されるに至りました。

しかし、当初の予測では下院の審議、上院の審議を経て、2019年明け早々にも批准の手続きが完了されるのではないかとされていました。

しかし、一時期下院での審議が非常に難航しましたが2019年4月17日に賛成77、反対68、棄権2の僅差で通過し上院へ送付された。

その後2019年冬までには発効する予定です。

ニュージーランド

ニュージーランドにおいては、現加盟国と称せられる時代から様々な紆余曲折を経てTPP11の批准国となっています。

しかし、早くからTPPに関する国内世論や検討整備などの時間的優位性を持っていたため、2018年10月にはCPTPP、つまりTPP11を批准し、4番目の締約国になっています。

ブルネイ

ブルネイでは、アメリカ合衆国離脱を受けて一時期国内調整が停滞しましたが、現在でも国内調整に前向きで、鋭意批准に向けて進んでいるとの外電が入っている現状です。

続いて、TPP11における「拡大交渉参加国」での経緯を見てみたいと思います。

オーストラリア

オーストラリアにつきましても、国内批准に向けた動きが2018年5月より開始され、上院下院の通過に関して様々な紆余曲折を経ながらも10月には総督承認という形で法案が成立することになりました。

その結果、2018年10月にCPTTPの6番目の締約国となりました。

カナダ

カナダにおいては、農業分野特に酪農分野における利害関係と製薬業界に関する課題で賛否が分かれていましたが、2018年10月にCPTTPの5番目の批准国となりました。

日本

日本については、早くからこのTPPへの参加を促されていましたが、その後の数々の国内外における交渉の結果2018年7月には国内手続きが終了し、2018年12月30日に発効しました。

日本においては、発効後、日本の輸入量全体の約五割を占めるオーストラリア産牛肉の関税が現在の29.3%から16年目で9%まで削減されるなど農産物を中心に関税が大きく下がることになります。

日本の消費者への恩恵がある一方で、国内生産者は厳しい競争を迫られることになります。

カナダへ輸出する自動車は6.1%の関税が5年目に撤廃されることになります。

日本は2019年2月1日に発効が見込まれる欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)と合わせ、多国間貿易の枠組み拡大を大きく進めることになります。

メキシコ

メキシコの場合、2018年4月に国会でCPTTPの批准承認を得て大統領公布として5月に官報にて発表しました。

TPP11の参加国の中で最も早く国内手続きが完了した国となりました。

ベトナム

ベトナムの場合、2018年11月にTPPを批准し、TPP11の中で7番目の締約国となりました。

発効は2019年1月になりましたが、国内制度の立ち遅れから実質的な動きにまではなっていない部分が多いのも事実として挙げられます。

ペルー

アメリカ合衆国離脱を受けて、慎重派が台頭してはいるもののCPTPPの批准については実務者の中で鋭意作業中とのことであり、議会にかけるかの判断を最終的に行っているとの外電がある程度です。

マレーシア

マレーシアの場合、2018年10月31日に、マハティール首相が同国政府関係者によりCPTPPの影響について依然として検討中であり審議中だと公表しました。

マハティール首相は記者団に対して「わが国経済に悪影響がないことを確実にするため、非常に丹念に調べている」と述べ、CPTPPを批准する期限は設けていないと付け加えた。

これらの経緯からTPP批准について慎重になっているのが現状だといえます。

スポンサーリンク

(4)アメリカTPP(環太平洋経済連携協定)離脱の原因

アメリカ合衆国においては、このTPPと同様の協定をすでにカナダ、メキシコと結んでおり、北米自由貿易協定(NAFTA:North American Free Trade Agreement 通称和名:ナフタ)と称せられるものがあります。

このNAFTAに関しては、特定の私企業にアドバンテージを与え、その他の貿易関係者などには不利益となるとの評価が強く表出してきました。

NAFTAに含まれる条項では、例えば、アメリカ合衆国を代表する大企業であるゼネラルモーターズ(GM)のような多国籍企業がメキシコに工場を移転し、メキシコで自動車を製造した後にその自動車を米国に売却することを容易にするものでした。

これによりアメリカ合衆国内での雇用が大きく奪われる結果となり、GMのみがメリットを得るという結果になりました。

このため、全米で同様の協定であるTPPの反対運動が起きたため、トランプ大統領も選挙活動中よりTPP反対を支持していました。

アメリカ大統領選挙の仕組みと「日程はいつ?」
さて、今回は来年2020年の大統領選挙に向けて「アメリカ合衆国大統領選挙」についてその制度上の仕組や日程がいつかについてご紹介したいと思います。多くの日本人にとって、首相を戴く日本国との選挙制度とは全く異なることから理解されていない方々...

この潮流は対立候補である民主党のバーニー・サンダース氏も同じく反対していました。

その他にも、アメリカがTPPから離脱した理由を象徴的に訴えているのが、2016年4月にニューヨーク市長であったビル・デブラシオ氏が上げたTPP反対の声明文があります。

これによると、「TPPに反対する熱意が我々にあるのは当然だ。我々米国国民は以前にもこの手の映画(すなわち北米自由貿易協定、NAFTA)を見ているのだから。

NAFTAがどれだけひどいものだったか我々は見てきている。

その過ちを繰り返すことはない。」としています。

さらに続けてNAFTAを例にとってその内容を次のように分析しています。

「物欲に囚われ、米国の中間層を犠牲にした。それがNAFTAだった。NAFTAによって米国の百万もの雇用が失われた。ここニューヨークでも何万という職が海外にもっていかれた。中流生活を送っていた人々がラグを処分させられる破目になった。勤労・誠実だった人々から突如として全てを奪った。それがNAFTAだったのであり、同様にTPPも米国に悪影響をもたらすと考えるべきだろう。したがって、我々はTPPに反対すべく立ち上がっているのだ。」

とし、離脱直前の世論を代表した言葉になっています。

そして、こういう世論が全米に渦巻き最終的にTPP離脱の決断がなされ、アメリカ合衆国抜きでTPP11として、またCPTTPという名称で区分される協定になってしまいました。

TPP11についての今後

我が国日本では、TPP11の中でも経済的に豊かな国になります。

さらに国内情勢的には労働者不足が懸案事項として「特定技能外国人」として海外からの若手の労働力をブルーカラー職にも容易に迎い入れられることがき急務となりました。

そこで、入国管理法を改正し2019年4月1日からこれら単純労働者の受け入れが比較的簡単にそのハードルを下げて可能となりました。

このように近隣アジアからの若い労働力が必要不可欠な日本にとって、TPPによる環太平洋域内における自由貿易は国内需要の喚起、知的所有権の明確化などの恩恵がマイナス面を大きく上回るとの判断から実施されることになっています。

国内でのマイナス面としては、酪農業への打撃、ワイン、酒類の生産者に対するものでしかなかったらだとされています。

今後は金融、投資分野での協定が結ばれることによる地域内での自由貿易、自由経済活動という側面で非常に大きなインパクトを与えるものとなることは間違いないと思われます。

今後も注視していく協定であることには間違いありません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました