GSOMIA破棄か延長!?日本、アメリカ、韓国、海外の反応とは?

GSOMIA

日本の隣国である韓国ですが、現在韓国との間には貿易紛争が生じています。

日本と韓国の間ではGSOMIAと呼ばれる協定が結ばれています。

先日、韓国がGSOMIAの破棄を表明したことで話題となっていました。

その後、11月22日に韓国がGSOMIA破棄を撤回する意向を示したことは記憶に新しいと思います。

今回はGSOMIAを巡る各国の反応をメインとして、紹介していきたいと思います。

GSOMIAとは

GSOMIAは軍事情報包括保護協定のことを言います。

軍事情報包括保護協定とは、軍事情報漏洩、想定されていない使用等の防止のために定められた協定になります。

2019年7月時点において、日本はアメリカを始めとした7ヶ国に加え、北大西洋条約機構との間でGSOMIAを結んでいます。

GSOMIAにおいて秘密保全の対象が何になるかは締結する国によって異なっています。

そして、日本は韓国との間でもGSOMIAを結んでいます。

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位置情報や画像情報、弾道ミサイルの情報などが迅速に交換、共有されるようになっています。

韓国は北朝鮮の隣国であり、北朝鮮のミサイル発射関係の動向をいち早く入手することができます。

GSOMIAを締結する以前は、アメリカを介して情報が伝達されていました。

2016年にGSOMIAを締結してからは、日本と韓国が直接情報のやり取りができるようになりました。

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これが破棄されると、日本から韓国へ、もしくは韓国から日本へとミサイルや核情報といった情報をアメリカに問い合わせる必要が出てきます。

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GSOMIA破棄の表明に至る経緯

韓国は2019年の8月下旬にGSOMIAの破棄を通告しています。

破棄するに至ったきっかけは、2019年7月に遡ります。

2019年7月1日、日本政府は韓国への輸出規制を行うことを発表しました。

従来、半導体関連の材料が韓国へと輸出されていましたが、その規制が強化されることとなったのです。

また、その後8月に日本政府は韓国をホワイト国から除外する措置を行っています。

ホワイト国について理解するためには、キャッチオール規制について知っておく必要があります。

様々な物の輸出入にあたっては規制が設けられています。

その規制は大きくリスト規制キャッチオール規制の2種類に分類することができます。

リスト規制とは

武器や大量破壊など、物品自体の機能や性能を重視した規制です。

該当貨物・技術は、輸出令別表第1に記載されており、

1:武器、2:原子力、3:化学兵器、3の2:生物兵器、4:ミサイル、5:先端素材、6:材料加工、7:エレクトロニクス、8:電子計算機、9:通信、10:センサー、11:航法装置、12:海洋関連、13:推進装置、14:その他、15:機微品目

となっています。

具体的な性能や機能については、輸出貿易管理令別表第一及び外国為替令別表の規定に基づき貨物又は技術を定める省令と呼ばれる省令において決まっています。

リスト規制を行う対象地域は全地域となっています。

なぜ全地域が対象かと言うと、この規制は大量破壊兵器の拡散であるとか、通常兵器の蓄積過多などを防止するのが目的となっているためです。

また、国際的な懸念のある地域にイラン、イラク、北朝鮮が規定されています。

キャッチオール規制

こちらの規制はリスト規制とは若干主旨が異なり、需要者や、物品の用途等を重視した規制となっています。

前述した輸出令別表第1に該当する品目であったら必ず許可・申請の手続きが必要になるわけではないというのが特徴です。

さらにキャッチオール規制は大量破壊に関するものと、通常兵器に関するものに細分化されています。

大量破壊兵器に関するキャッチオール規制について詳しく見ていきましょう。

大量破壊兵器のキャッチオール規制は、先に述べた輸出令別表第1の16項に該当する貨物・技術となります。

これは、基本的にはリスト規制で対象となっているもの以外の貨物、もしくは技術となります。

そのうち大量破壊兵器との関連が薄い一部のものについては除外されます。

許可・申請が必要になるものは客観要件か、インフォーム要件のいずれかに該当する場合になります。

まず客観要件は、先にも概略を述べた通り、用途や需要者を重視しており、それぞれ用途要件、需要者要件が存在しています。

用途要件は、輸出する貨物もしくは技術が、核兵器開発等省令の第一号および核兵器等開発等告示の第一号に該当する場合となります。

前者については、その貨物の輸出に関する契約書、記録等(以下、文書等とする)において軍用の化学製剤や細菌製剤、またはこれらを散布するための装置や運搬可能なロケットや無人航空機(条件としては、射程か航続距離が300キロメートル以上のもの)の開発・製造等のために用いられることが記録・記載されている場合という旨が記載されています。

後者については、その貨物の輸出に関する契約書、記録等において軍用の化学製剤や細菌製剤、またはこれらを散布するための装置や運搬可能なロケットや無人航空機(条件としては、射程か航続距離が300キロメートル以上のもの)の開発・製造等のために用いられることが記録・記載されている時に、取引を行おうとする物が核兵器開発等省令別表に掲げる行為のために利用されるということを取引の相手か、この技術を利用する者などから連絡を受けた際と定められています。

次に需要者要件ですが、こちらは輸出する貨物、もしくは技術が核兵器等開発等省令の第二・三号、または核兵器等開発等告示の第二、三号に該当する場合となっています。

前者は、まず二号が、その貨物の輸出に関する契約書か輸出者の得た文書等のうち規定されているもののおいて、需要者が核兵器などの開発等を行うことが記載、または記録されているとき、もしくは輸出者が、需要者が核兵器等の開発を行うといったことを輸入者から連絡を受けた場合が該当します。

第三号は、その貨物の輸出における契約書や輸入者の得た文書等のうち、規定されているものにおいて、貨物の需要者が核兵器などの開発等を行ったことが記載されているか記録されている際か、輸出車が輸入者から、貨物の需要者が核兵器等の開発を行ったと知らされた際、と定められています。

後者については、同告示の第一号で述べた取引における契約書、または取引を行おうとする者が得た文書等のうち、別表で定められるもので、この技術を利用する者が核兵器などの開発を行うことが記載されているか、または記録されている際、または取引を行おうとする者が、相手方より技術の利用者が核兵器等の開発などを行ったという連絡を受けた場合が該当します。

ただし、ここまで述べた需要者要件は、核兵器などの開発、また核兵器等の開発省令の別表に定められている行為以外に用いられることが明らかである場合は除外されます。

その規定に関しては、経済産業相貿易経済協力国の示している、「大量破壊兵器等及び通常兵器に係る補完的輸出規制に関する輸出手続等について」の1:輸出者が確認すべき事項、の(6)に詳細が記述されています。

輸出者、または取引を行おうとする者はこのガイドラインを確認すること、とされています。

概要を説明しますと、貨物等の用途・仕様、貨物等の設置場所燈の態様・据付等の条件、貨物等の関連設備・装置等の条件・態様、表示・船積み・輸送ルート・梱包等における態様、貨物等の支払対価等・保証等の条件・外国ユーザーリスト掲載企業・組織に分類がなされ、全部で18個の項目が提示されています。

そして、このキャッチオール規制を厳しく実施している等の理由で、規制の対象外とされる地域が存在します。

それが、通称グループAとされる国々であり

グループA

アメリカ、アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブルガリア、カナダ、チェコ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、イギリス、ハンガリー、アイルランド、イタリア、ルクセンブルク、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス

の26か国が該当します。

このグループAに属する国のことを「ホワイト国」と呼んでおり、韓国もここに属していました。

日本政府が韓国をホワイト国から除外することについては、経済産業省より、日韓関係が著しく損なわれたと判断されたとの発表がありました。

加えて、韓国に関する輸出管理において不適切な事案が発生したとの言及も行っており、結果として前述したようにグループAより韓国が除外されることとなりました。

グループAより除外が行われるのは、韓国が初めてのことでした。

この他に、7月4日より特定品目が包括輸出許可から個別輸出許可へと変更されることとなりました。

特定品目とは、具体的にフッ化ポリイミド、レジスト(感光材)、フッ化水素(エッチングガス)です。

これらの韓国向けの輸出、これらの製造設備の輸出も含む製造技術の移転について、包括輸出許可制度の対象から除外することとなりました。

包括輸出許可制度とは、契約案件ごとに申請を行う個別輸出許可と異なり、一括で許可を受けることのできる制度となります。

ホワイト国からの除外と、包括輸出許可制度からの除外という2つの決定を受け、韓国は2019年8月22日に国家安全保障会議の常任委員会を開き、GSOMIAの破棄決定を発表します。

GSOMIA破棄に関する各国の反応

GSOMIA破棄、韓国の反応

韓国の世論調査会社であるリアルメーターは、8月23日に世論調査を発表しました。

それによると、韓国政府がGSOMIAの破棄を表明したことを適切な対応とした人が54.9%、間違った対応とした人が38.4%という結果になりました。

韓国国内においては、韓国政府の対応を是とした人が優勢ではありますが、賛成派ばかりではないということがこのデータよりわかります。

革新派である、韓国のハンギョレ新聞ではGSOMIAの破棄を支持しており、日本政府の対応が今回の事象を招いたことであると日本に責任がある旨の報道を行っています。

対して保守派の新聞各紙においては、韓国のこの行動によって日本、韓国、そしてアメリカの間の安保協力・連携が揺らぐことを危惧しており、韓国政府は誤った判断をしていると報道しています。

後述しますが、アメリカのエスパー国務長官が11月に韓国を訪問することが決定した際、韓国国防省の関係者はGSOMIAの破棄に関しては、日本が韓国に対して行っている輸出管理規制を撤回すれば再検討するということに変化はないということを表明しています。

GSOMIA破棄、日本の反応

韓国のGSOMIA破棄の表明に対して、日本から出ているのは基本的に否定的な意見となっています。

8月23日時点で、安倍首相はアメリカと連携して安全保障を確保し対応していきたいという考えを述べています。

岩屋防衛相は韓国の対応に対して失望していることを述べ、遺憾の意を示しています。

韓国側には対応を考え直してほしいという旨のことも合わせて述べています。

また、世耕経済産業相は、日本が韓国に行った輸出管理規制という、GSOMIAとは全く異なる問題を韓国は関連付けており受け入れられないと話しています。

日本は韓国がGSOMIAを破棄すると表明した8月末から、失効直前の11月末まで韓国の対応に動じることなく、終始一貫した姿勢を取り続けました。

GSOMIA破棄、アメリカの反応

日本の輸出規制に始まった日韓関係は静観していたアメリカでしたが、GSOMIAの破棄を受けて動き出すこととなります。

8月22日、アメリカ国防総省は韓国のGSOMIA発表を受けて、この決定はアメリカや同盟国の安全保障を脅かすものであるという旨を表明しています。

韓国の、GSOMIAの破棄はアメリカの理解を得ているという主張を一蹴したかたちとなりました。

さらに、その日に再度国防総省から声明が発表されるという異例の事態となりました。

2度目の声明では、

また、同日、ポンペオ国務長官もカナダのオタワで記者会見を行い、韓国の決定に失望したと話しました。

加えて、日本と韓国の共有している利益は、二国、そしてアメリカにとっても重要であることを述べ、正常な関係へ戻ることを望んでいるとしました。

その後トランプ政権からもGSOMIA破棄に対して、強い懸念と失望が表明されました。

しかし翌月の会談では、GSOMIAに関する言及はなされませんでした。

会談は9月23日にニューヨークで行われたもので、トランプ大統領と文大統領が話をしています。

北朝鮮に関する実務者協議についてのことなどが話し合われたとのことですが、ここでGSOMIAの話は出なかったとのことです。

会談ではGSOMIAの話は出ず、動きがないように見えましたがその一ヶ月後、アメリカ国務省の高官より破棄の見直しを求める考えが示されました。

具体的には10月26日にアメリカのスティウェル国務次官補が、仲介役こそ担わないものの、日本と韓国の間に解決策を見出すことを強く促すと発言しました。

そしてGSOMIAが日本、韓国、アメリカの参加国全てに利益のあることとし、破棄の決定を決めた韓国に対して見直しを求めるような考えを示したのです。

11月に入ると、アメリカ国防総省からも破棄の決定を見直すような方針が示されることとなります。

11月7日に行われた記者会見において、アメリカ国防総省のホフマン報道官が11月13日より韓国を含むアジア4か国を訪問することを発表しました。

ホフマン報道官はGSOMIA破棄の決定に対しての懸念を表明し、このまま11月23日に失効すれば日本、韓国、アメリカの三か国の連携に影響を及ぼすことを改めて述べました。

補足しますが、遡って9月27日に、トランプ大統領とも近しい関係にあるとされるエドウィン・フールナー氏が韓国紙とのインタビューで意見を述べています。

このインタビューによれば、氏は韓国がGSOMIAを破棄し、対立状況が継続することで韓国が最終的に損害を被ることになるであろうと話しています。

GSOMIA破棄の海外の反応

GSOMIA破棄の意向を韓国が示したことについて、欧州では積極的な報道がなされていないようです。

今回の件に限らず、例えば日本の自衛隊の哨戒機に韓国の軍艦が管制レーダーを照射した際においても欧州ではほとんど報道がされていなかったようです。

日本と韓国の間の問題に関して関心が薄いということが窺え、今回のGSOMIAの件についても目立った反応は見られませんでした。

GSOMIA破棄撤回

韓国側の動きがなければ2019年11月23日午前0時をもってGSOMIAは失効することとなっていました。

11月17日、日本、アメリカ、韓国の3か国が会談を行いました。

この会談においては、日本が韓国に課した輸出管理措置を撤回することを、GSOMIA継続の条件とする韓国の意向が改めて浮き彫りになりました。

GSOMIA破棄前日の11月22日、韓国政府は日本に対してGSOMIAの失効を停止する旨を伝えました。

22日の午後には、国家安全保障会議が開かれており、そこには文大統領も出席していました。

失効を停止する方針であることは伝えられましたが、韓国側としてはいつでも失効が可能であるという前提付きであることも主張しています。

また、韓国は日本の輸出管理規制に関して世界貿易機関に提訴手続きを行っていましたが、これについても停止する方針であることが伝えられています。

より詳細を説明すると、韓国の開いた会見で金有根国家安保室第一次長が韓国の意思を表明しました。

軍事秘密情報保護協定の効力をいつでも終了させられるという前提のもとで、2018年8月23日に表明したGSOMIA失効を停止すると述べ、日本側もその対応に理解を示したとしています。

加えて、日本と韓国の間で輸出管理に関する対話が正常に進行している間は、現在韓国がWTOに提訴している、日本から韓国への輸出管理規制に関する手続きを停止すると会見で示しました。

それに加えて、金有根次長は輸出管理規制に関する対話については、課長級の準備会議と局長級の対話を実施すること、日本が規制を掛けた3つの品目に関して再検討することなどを要求しています。

日本が輸出管理規制を行った7月以前に戻り、ホワイト国に再度戻ることの重要性を強調しました。

GSOMIA破棄撤回に関する各国の反応

ここからは、GSOMIAの破棄撤回についての各国の反応を紹介したいと思います。

韓国の反応

GSOMIAの破棄を撤回した韓国においても、賛否両論の反応となっています。

韓国各紙は、GSOMIAの失効停止の決まった翌日の23日に報道を行っています。

否定的な報道を取り出してみると、まず朝鮮日報は、破棄の事実上の撤回に関して、名分を失い立往生する状況を招いたと文政権を批判しています。

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東亜日報は、GSOMIAの終了を持ち出したことの効果に疑問を呈し、必要のない議論を呼び起こすきっかけになったと報じました。

対してアメリカ側を批判したのはハンギョレ新聞です。

GSOMIA破棄の撤回をアメリカは要求していたことに加え、日本をかばう姿勢を示したことを批判しています。

では韓国の世論はどのようになっているのでしょうか。

韓国の世論調査会社である韓国ギャラップの報告によれば、GSOMIA失効停止を決定した韓国政府について、支持が51%、不支持が29%であるということがわかっています。

なお、調査は約1000人を対象に実施されています。

今回の韓国側の主張としては、今回の破棄撤回はあくまで、GSOMIAの破棄を「延長」するとしているのが一つのポイントであるとみることができます。

韓国側としては、あくまで主導権が自身の側にあるということを強調したい向きがあるため、このような主張となったと考えられるでしょう。

しかし韓国国内からも批判の声が出ていることからも、韓国政府の思惑の一つは外れたといえるでしょう。

日本の反応

破棄の失効停止を受けて、日本の茂木外相は韓国の康京和外相と会談し、12月に日韓首脳会談を開催する方針で調整していく運びとなりました。

また、12月下旬には日中韓首脳会談もあり、これに合わせて安倍首相と文大統領の会談の調整も行っていくことを確認しました。

日本においては、11月25日に菅官房長官が記者会見で、GSOMIAは安定的に運用されることが重要であると話しています。

また、韓国側のコメントに対して反論もしています。

そのコメントは、韓国大統領府によって出されたもので、日本側がGSOMIAに関する合意内容を歪曲し、そしてそのことについて謝罪したというものです。

菅官房長官は謝罪した事実はないと、明確に否定しています。

加えて、輸出管理の見直しはGSOMIAとは全く別の問題であるということも述べています。

ここまで述べてきたように、韓国側は日本側に輸出管理規制の見直しを要求していますが、その問題とは別個に気論するべきであるという意見を改めて示した形となっています。

アメリカの反応

アメリカ国務省は、韓国側からのGSOMIA失効停止を受けて、歓迎するとの声明を出しています。

また、国防総省も、エスパー長官がGSOMIAの継続を歓迎するとの声明を出しています。

国防総省はそれに加えて、北朝鮮の情報共有に重要なものである認識を述べています。

アメリカとしては、GSOMIAの破棄を撤回するようにと度々通告してきましたが、それが通ったかたちとなります。

今回、GSOMIAの破棄が撤回された要因として、アメリカの存在が大きなものであったと考える見方が多いようです。

GSOMIAの破棄という意思を示したものの、日本側は輸出管理規制を撤回することを断固拒否しています。

おそらく日本が折れることを韓国側としては期待していたとみられますが、ここまで述べてきたように、日本側は輸出管理に関する事柄とGSOMIAに関する事柄は別問題であると取り合わず、韓国の見込みが外れたと言えるでしょう。

加えてアメリカも日本に加勢する形で韓国に破棄の撤回を求める流れとなったため、韓国側としてはかなり追い詰められた状況になったということが推察されます。

海外の反応

GSOMIA破棄の項目でも記載したように、欧州ではもともと日韓関係への関心が薄いとみられます。

今回のGSOMIA失効の停止に関しても、目立った報道はなされていないようです。

日本と韓国、そしてアメリカの間では重大な出来事ではありますが、この理由によって海外の反応は残念ながら窺い知ることが難しい状態となっています。

GSOMIA失効停止、今後の動向は

ひとまずGSOMIAの破棄は撤回されましたが、韓国側の主張としてはただ単純に撤回したのではなく、あくまでGSOMIAの失効を停止しただけ、いつでも終了することができるというのが一つの焦点になるかと考えられます。

また、アメリカと韓国の関係にも少なくない影響を及ぼしていることは間違いないと言えます。

アジア安保の専門家の共同論文によれば、韓国の一連の行動によって、アメリカと韓国間の信頼関係が大きく傷ついたと分析しています。

情報協定を破棄するというのは、日本、韓国、そしてアメリカの三国間の北朝鮮への対応能力を落とすことに繋がると言えるからです。

これまでにも、日本と韓国間で軋轢は生じていました。

近年の出来事でいうと、現在の日本の内閣総理大臣が安倍晋三に、韓国の大統領が文在寅の政権となってから様々な出来事がありました。

まず徴用工訴訟問題、そして2018年11月頃に起こった慰安婦問題に関する出来事、先にも述べた韓国軍から日本の自衛隊機への管制レーダー照射は2018年12月、2019年2月には韓国国会議長から天皇への謝罪の要求などがありました。

これらの出来事によって、日本と韓国の両国には様々な影響が出ていました。

その状況と、今回のGSOMIA破棄の騒動前後の日韓の状況を具体的なデータを示して紹介していきたいと思います。

2019年11月28日には財務省が貿易統計を出しており、そのデータによれば日本から韓国に輸出していたビールがゼロとなったことが明らかになりました。

輸出がゼロとなったのは1999年6月以来のこととなります。

日本のビールの主要な輸出先が韓国でしたが、輸出額は前年同月比で99.9%減少し、58万8千円となりました。

清酒の分野でも前年同月比で99%減の250万円となっています。

また、日本が輸出管理を規制した品目の一つであるフッ化水素についても見てみましょう。

こちらも前年同月比で94%減の4063万円と、大幅に減少しています。

ただし、8月の時点では輸出がゼロであったため、僅かではありますが輸出量は増加しているのは事実となります。

前述した徴用工訴訟による日韓関係の悪化によっても貿易摩擦への発展が示唆されていましたが、それほど重大な結果は生じていませんでした。

今回のGSOMIA関連による関係悪化は深刻であり、今後もしばらく貿易摩擦は継続するものと考えられます。

しかし、僅かとはいえ品目の輸出量が増加しているものもあるため、今後GSOMIAに関して動きがあれば、貿易摩擦も緩和していくと考えることもできます。

GSOMIA破棄の前段階に戻った状況ではありますが、韓国の行動によって三国間の間に軋轢を生じさせてしまったことが今後貿易関連に響いてくるのは明白でしょう。

そして日本の輸出管理規制に不満を持っている韓国との対話が再開される見通しとなりました。

その発表があったのは11月29日で、梶山弘志経済産業相によって12月中旬に東京で再開されることが述べられました。

12月16日の週に実施される予定で、この輸出管理対策対話においては、話し合い解決に向けてというよりも現状の確認のためのものであると思っていると梶山氏は述べています。

また、その対話の準備会合として、12月4日にウィーンにおいて局長級の会合が開催されることも合わせて報告されました。

この会見からも、日本の姿勢は一貫したものであることが窺えます。

今回の騒動を受けて、韓国政府は輸出管理体制を強化することを明らかとしています。

該当貨物の輸出担当者を増やすことで体制を補強する構えです。

現状のままでは折り合いをつけることは難しいと思われますが、韓国側がこのような対応を行うことで日本側の意向に変化が生じる可能性はあります。

12月下旬には日韓首脳会談の開催も想定されています。対話の再開、韓国側の輸出管理体制の強化表明、そして日韓首脳会談と、重要な出来事が多くなっています。

問題は決着するのか現時点ではまだなんともいえない状況でしょう。

GSOMIAまとめ

安全保障のために、国際間の輸出入の際には輸出管理がなされています。

そのうちの規制の一つであるキャッチオール規制において、輸出手続きを個別に行わずに、一括で許可申請を出すことができるグループが存在しています。

日本が韓国をこのグループから除外したことをきっかけに、韓国は、日本と韓国、そしてアメリカも関わってくるGSOMIAの破棄を表明しました。

日本の輸出管理規制を撤廃しなければGSOMIAの破棄も撤廃しないと主張する韓国に対して、日本はその二つの案件は全く別の問題であると韓国側の要求を断っていました。

アメリカ側から韓国への圧力も効いていたとみられ、GSOMIA破棄を主張していた韓国は、失効間際になって破棄の撤回(韓国側の主張としてはあくまでも失効の一時停止)を表明することとなりました。

破棄に関しては韓国国内でも意見が二分していました。

今回破棄が撤回されたことで、また別の不満が生じてきています。

状況としてはGSOMIA破棄の前の段階に戻ったと言えますが、日本と韓国、アメリカ間の間に影を落とす事柄となったのは間違いないと言えるでしょう。

対話の再開は決まっていますが、年内に大きな動きがあるのか、注目されるところです。

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