アメリカのGAFA、中国のBATISとは? デジタル課税の影響は?

アメリカ

アメリカのGAFA、中国のBATISは皆さんご存知でしょうか。

それぞれ企業の頭文字を取っているもので、例えばGはGoogleのことを指しており、残り3文字も名前を聞けば知っているという人が多数の企業となっています。

BATISの企業の知名度はGAFAより低いかと思われますが、急成長している新興企業です。

今回はこのGAFAとBATISについての紹介と、デジタル課税に関することも合わせて説明していきたいと思います。

GAFAとは

GAFAとは、アメリカの4つの企業、グーグル(Google)、アップル(Apple)、フェイスブック(Facebook)、アマゾン(Amazon)のことです。

それぞれの企業の頭文字を取ってこのように呼ばれています。

これらの企業はほとんどの人が知っていることかと思います。

既知の事柄も多くあるかと思いますが、それぞれの企業について順に紹介していきたいと思います。

GAFA①Google

Googleは検索エンジンサービスの大手として知られています。

アメリカで1998年に設立されたのち、2000年から日本向けのサービスが開始しました。

何か知りたいことがあった場合にGoogle検索を行う人は多いでしょう。

しかしこのGoogleは、後述するApple、Facebook、Amazonと比較するとどのように運営されているのかがわからない企業となっています。

Googleの強みは、その検索エンジンです。

全世界において、1日あたり35億件もの質問がGoogleを使って検索されているのです。

そしその質問の6つに1つは、それ以前に質問されたことのない質問です。

ここまで信頼され広く使われているサービスですが、では他の検索エンジンと比較してGoogleがここまで強いのはなぜでしょうか。

その要因としては、シンプルであるということと、広告の影響を受けないオーガニック検索の2つを挙げることができます。

Googleで検索したことのある人であれば、検索ページのシンプルさを良く理解していることと思います。

ロゴデザインと検索窓のみという、シンプルで洗練されたデザインは、Googleが現れた当時においては衝撃的なものでした。

Googleを初めて利用する人であっても使用しやすいという利点の他にも、もう1つ言えることがあります。

それは、広告主がGoogleのページの一部を、お金を出して購入することはできないということです。

情報を発信するメディアの多くでは、金が重要になってきます。

情報を発信するために広告を載せ、広告料を支払ってもらうという構図で、ユーザーからするとどれが広告でどれが広告でないのか判別するのは難しいものとなっています。

ですが、Googleにおいてはそのようなことはありません。

検索して表示される情報は広告の影響を受けないものであり、広告であるものはそのように注記がされ、オーガニック検索とは別枠で表示されます。

そしてGoogleの広告掲載の特徴として挙げられるのが、オークション方式です。

広告を出す際にはユーザーのクリック数あたりの価格を設定し、高値を付けた者が広告主となります。

また、オークションはGoogleで検索が行われるたびに行われており、広告ランクの高いもの(入札単価、広告の品質、ユーザーの検索状況など)だけが表示される仕組みとなっています。

このシステムがあることで、Googleに掲載される広告の公正さ、平等が保たれていくこととなっています。

GAFA②Apple

Appleはデジタル機器のメーカーで、1976年にスティーブ=ジョブスとスティーブ=ウォズニーにより設立されたアップルコンピュータが前身となっています。

Appleはこれまでとても長い間、時価総額1位に位置していました。

2013年に一度マイクロソフトがAppleを超えて1位になりましたが、その後再びAppleが1位を奪還しました。

その後、2019年2月に再びマイクロソフトがAppleを抜き1位となっています。

2019年時点でのAppleの時価総額は9093億ドルと、1位のマイクロソフトの時価総額は1兆500億ドルと1000億ドルほど差がありますが、しかしそれでも同社の影響力には計り知れないものがあります。

2018年第2クオーター(4月~6月)世界のスマートフォン市場における利益シェアで、Appleは62%を占めているというデータが発表されています。

Appleに次ぐ2位はSamsungの17%、3位はHuawaiが8%というデータから見ても、Appleがスマホ市場を席巻しているということが理解してもらえると思います。

Appleの特徴として挙げられるのが、製品にコストをかけずに高価格で販売を行っているということです。

なぜそのようなブランド化が可能となったのか、それはAppleが行ってきた様々な販売戦略が成功したからです。

まず、多くの方が知っていると思いますが、スティーブ・ジョブズという創業者の存在です。

ステージ上で独特な、そして人を引き込むプレゼンテーションをしていた姿を覚えている人も多いでしょう。

カリスマ的存在の創業者の存在は、ブランドイメージを構築する上で重要なポイントの1つでした。

製品自体に関しては「シンプルに」というAppleのこだわりが見事にはまりました。

シンプルな形状であり、ボディの材質は高級感のあるものにするなどして洗練されたデザインを生み出してきました。

加えて、メーカーの直営店の扱いも特徴的でした。

Appleは1999年にドレクスラーと呼ばれる人物をAppleの委員会へと入れています。

この人物は、GAPの店舗に大幅な改革をもたらして、消費者が持つGAPへのブランドイメージを一気に上げたことでも知られています。

Appleの店舗はとても派手に作られ、結果としてブランドイメージは向上しています。

事実、アメリカにおいてAppleの店舗の床面積あたりの売上は1位を記録しました。

続く2位は宝飾品で知られるティファニーで、その売上の2倍弱の数値となっており、圧倒的なことがわかります。

そして高価格での販売もポイントの1つです。

高価格で販売することは消費者にとってレア感をもたらします(もちろんそれに見合うだけの質を伴っている必要はありますが)。

それを持っていることがステータスになり、そしてさらにブランド化が進んでいくというわけです。

このように確固たる地位を築き上げてきたAppleですが、好調なままかというとそうではありません。

スマートフォンの出荷台数のデータに着目してみます。

アメリカの市場調査会社であるIDCが発表したデータでは、2010年の第2クオーター以降、Appleは出荷台数の占有率上位2社に必ず入っていました。

しかし2018年の第2クオーターにはAppleが3位に転落しました。

1位がSamsungで7150万台、2位がHuaweiで5420万台、そして3位のAppleが4130万台です。

前述したようにAppleは端末の販売価格が高く、それによって販売台数が緩やかに減少しているぶんをカバーしている形となります。

2019年7月末時点で、Appleは2クオーター連続の減益となりました。

iPhoneの売上は減少しており、全体の半分を下回りました。

他のカテゴリーについてはどれも増加していて、その中で注目すべきはサービスのカテゴリーです。

CEOが重点を置くと述べたこのカテゴリーの売上高は13%増加しています。

iPhoneの一強であったAppleの構造も、徐々に変化しつつあるのです。

GAFA③Facebook

Facebookはソーシャル・ネットワーキング・サービスを運営する会社で、2004年にハーバード大学のザッカーバーグによって創設されました。

同社はユーザー1億人を超えたプラットフォームを3つ——フェイスブック、ワッツアップ、インスタグラムを——所有しています。

Facebookの時価総額は2019年7月末で5840億ドルを記録しており、その影響力がよくわかります。

マーケティングにおいて、ファネルという考え方があります。

ファネルは日本語では漏斗のことを指し、消費者の意識を図式化したもののことを表現しています。

ファネルの考え方のうちの1つである「パーチェスファネル」は、消費行動について図式化したものとなっています。

認知→検討→購入→支持と、徐々に消費行動が絞り込まれていく様子を、漏斗の形で示したものとなります。

このパーチェスファネルにおいて、Facebookが位置しているのが一番上の「認知」にあたります。

Facebook、そして子会社のインスタグラムで消費者は様々な情報を受け取り、アイデアや欲望といったものが生まれることとなります。

消費者の行動の例としては、まずインスタグラムで知り合いの投稿した場所に旅行したくなったり、お洒落な商品を見てそれを購入したくなったりします。

そしてGoogleやAmazonといったサービスを利用して検索をかけ、次の行動に移るというわけです。

この例から、GAFAのそれぞれの企業は、相互に影響し合うプラットフォーマーであるということもわかります。

1つのプラットフォームを利用するよりも複数のプラットフォームを利用したほうが便利であるような環境となっているため、消費者も必然的にそのような行動を取るようになっていくと言えます。

Facebookの特徴としては、その膨大なユーザーそれぞれに、たくさんの個人的なコンテンツが存在しているという点です。

この特徴はGoogleにはないものであり、Googleの市場占有率を上回っている要因となっています。

Facebookがここまで成長した大きな理由として挙げられるのが、「ネットワーク効果」と呼ばれる仕組みです。

ネットワーク効果とは、利用者が多ければ多いほどその製品やサービスの価値・効用が上昇する経済原理です。

利用者が増えるにしたがってサービスの価値がより高まり、それにより新規利用者が増加していきます。

しかしネットワーク効果は他の製品やサービスについても言えることです。

Facebookに関しては、創業者であるザッカーバーグが、このネットワーク効果を利用した成長戦略を考えていたということが成長に繋がったといえます。

そのために行われたのが2012年のインスタグラム買収と、2014年のワッツアップ買収です。

ワッツアップは2014年1月の時点ではアクティブユーザー数が4億3000万人ほどでしたが、2017年末には15億人を突破しています。

ワッツアップはインスタントメッセンジャーアプリであり、当時広く使われていた携帯電話会社のSMSサービスを使わず無料でメッセージを送れるという点がユーザーに評価されました。

その後SMSの料金は減少したものの、一度ユーザーを獲得したワッツアップが成功した形となったのです。

そのワッツアップは、先述した通りFacebookの買収後成長しており、Facebookの買収が成功したことを窺わせます。

ただし、Facebookも常に好調で正しい選択をし続けているというわけではありません。

それを示す1つの例がVRです。

Facebookは2014年にVRヘッドセットの企業であるオキュラスを買収していますが、その後期待していた通りには進まず、2017年にはオキュラスの創業者であるパーマー・ラッキー氏がFacebookを去っています。

ただし、様々な事業に着手する以上、このような失敗も当然起こりえます。

Facebookの影響力は、今後も衰えることなく続いていくでしょう。

GAFA④Amazon

Amazonは1995年にジェフ・ベゾスにより創業を開始したインターネットの通販サイトです。

2019年時点で、アメリカ国外でサイトを運営している国は15ヶ国にも及びます(フランス、カナダ、イギリス、ドイツ、イタリア、スペイン、オランダ、トルコ、日本、中国、インド、ブラジル、メキシコ、オーストラリア、アラブ首長国連邦)。

2016年時点で、アマゾンの会員サービスである「アマゾン・プライム」に加入しているのは52%(アメリカの世帯において占めている割合)というデータもあり、非常に多くの人がこのサービスを利用していることが窺えます。

アマゾンは小売業ですが、実店舗を持っていません。

バーチャルな店舗であるため、莫大な顧客を抱えることができ、数多くの業界に対応することが可能となります。

第三者を参入させるアマゾン・マーケットプレイスの導入も、充実した通販サイトを拡張する重要な要素の1つとなりました。

第三者が介入することによって、販売する機会が少ないものも取り扱うことができるようになり、より様々な商品を提供することが可能となりました。

アマゾン・マーケットプライスの売り上げは400億ドルに達しています。

この数値は、アマゾン全体の売り上げの約4割に値しています。

このようにアマゾンは特徴的な経営を行ってきており、その成長スピードは著しいものとなっています。

その速度が非常に速いため、他の企業の追随を全く許さない状況となっているのです。

アマゾンの創業者であるジェフ・ベゾスは、フォーブスの発表する長者番付において、2017年、2018年と2年連続でトップとなっています。

その保有資産は1310億ドル(約14兆6600億円)となっています。

さて、ここまでGAFAのそれぞれの企業について説明してきました。

それぞれの企業が別々のプラットフォームを提供し、またユーザーはしばしばこれらのプラットフォームを複数利用しています。

その影響力には計り知れない余地があるように思われます。

BATISとは

続いてはBATISの説明です。

こちらは中国でプラットフォームを提供する企業となります。

習近平指導部によって2017年から2018年に、中国の国家プロジェクトである「AI発展計画」によって指名された5企業が該当します。

その5つの企業とは、百度(バイドゥ)、アリババ、テンセント、アイフライテック、センスタイムであり、これらの企業の頭文字を取ってBATISという呼称になっています。

まずは、それぞれの企業について紹介していきたいと思います。

BATIS①百度(バイドゥ)

百度は中国において最大手の検索サイトです。

中国国内における検索エンジンのシェアが約90%に達していたこともありました。

日本に進出したのは2006年の12月で、2008年1月からはBaidu.jpのサービスが開始しています。

世界においてもGoogle、Yahoo!に次ぐ世界ランクとなっていますが、2019年5月に発表された情報によると同年1月から3月までの最終損益は3億2700万円と、百度が上場して以来、四半期ベースにおいて初めての赤字となりました。

中国国内における検索のシェアも約70%まで落下しています。

BATIS②アリババ

こちらは電子商取引を行う企業で、1999年に馬雲によって創業されました。

携帯電話のような移動体通信機器を利用した電子商取引であるモバイルコマースを提供する企業として知られています。

これまでに積極的なM&Aを行ってきています。

例えば、ネット通販、ショップやオークションなどの電子商取引サイトである淘宝網、検索サイトのYahoo!中国雅虎、ネット通販の天猫、オンライン決済の支付宝、現在ではアリババドットコムおよびアリババクラウドコンピューティングに合併している阿里軟件などを設立または買収し成長してきました。

アメリカのGAFAのように、アリババは中国における小売業の環境に大きな変化をもたらしましたなんとアリババは中国における小売の63%を占めているのです。

2019年時点でアリババの時価総額は4120億ドルに達しており、世界各国に進出しています。

ただし、アリババのビジネスの8割は中国国内で行われており、今後GAFAのように世界を支配するには課題が残っています。

BATIS③テンセント

こちらは中国におけるゲーム最大手の企業として知られています。

ゲームのみでなく、インターネットによる各種サービスを提供しています。

設立当初のサービスはインスタントメッセンジャーのQQで、中国国内で最も普及しているインスタントメッセンジャーとなっています。

その後WeChatと呼ばれるアプリもリリースしています。

オンライン統計企業であるStatistaによれば、2018年のアクティブユーザーアカウント数は8億710万人、WeChatは10億9760万人にも及んでいます。

日本で良く利用されているLINEと比較してみましょう。

2018年の第4クオーター時点でのLINEのアクティブユーザーの数は7900万人です。

この数値からも、テンセントの提供するサービスが中国国民に広く利用されているということがわかるかと思います。

テンセントはクラウド事業も運営しており、中国国内市場における順位は、アリババ・クラウドに次ぐ2位となっています。

そしてテンセントは、2019年7月末に日本のクラウド市場にも参入しています。

BATIS④科大訊飛:アイフライテック

こちらは音声技術やAI技術を専門としたソフトウェア企業で、1999年に設立されました。

マサチューセッツ工科大学によって発行されている「世界で最も賢い会社トップ50」においては世界6位となっています。

この順位は、前述した百度、アリババ、テンセントより高く、中国企業においては最も高い順位を記録しました。

2016年時点での売上高は33億2000元、従業員数は約8000人です。

同社における音声ベース技術は、中国国内において約70%のシェアを誇っています。

自動翻訳では中国語をはじめとして英語や日本語も取り扱っており、認識・翻訳の精度は97%にまで達しています。

智能会議系統」と呼ばれる自動翻訳は、会議中の発言をAIで認識し、自動で、しかもリアルタイムでスクリーンに投射するというものです。

中国語版では、要約も自動作成が可能となっており、先進的な技術であることがよくわかります。

従業員は1万人を超えており、時価総額は679億ドルと大企業に成長しています。

2018年度の業績は売上高、純利益の双方で前期と比較して大きく増加しており、今後の活躍が期待できる企業となっています。

BATIS⑤商湯科技:センスタイム

こちらはAIのベンチャー企業で、2014年に設立しました。

ディープラーニングを活用したAIの画像・顔認識技術を強みとしています。

センスタイムがどれほどの技術を持っているのか紹介したいと思います。

人間による他人の顔の認識率は97%と言われていますが、センスタイムの顔認識率は2014年に99.15%という数値を出しています。

この技術を使用した例としては、金融機関においてスマートフォンを利用した認証サービス、スマートフォンでの顔認識システムを利用したコミュニケーションツールといったものが挙げられます。

また、AIによるディープラーニングを顔認証以外の分野にも用いています。

その1つが車検知です。

市街地で自動車、二輪車、歩行者を検出、追跡するほか、さらに詳しい検出も可能となっています。

例えば歩行者の性別や年代、鞄などを携帯しているかどうかなどを認識することや、自動車の車種や色といった情報の認識などです。

この技術は、交通管理、セキュリティ、マーケティングなど様々な分野に応用可能となっています。

BATISはアメリカのGAFAをライバル視し、技術覇権を競っています。

百度のCEOである李彦宏は、Googleがまた中国において検索サイトを立ち上げることとなっても再び勝利する自信があると述べています。

中国のBATISの特徴としては、14億人という膨大な人口から得ることのできるビッグデータを活用し急成長している点が挙げられます。

市場競争を勝ち抜いてきたGAFAと、全く異なるプロセスで成長してきたBATIS、その競争は今後も激化していくことが予想されます。

デジタル課税とは

さて、前述したGAFAのような、世界的に見ても大手のIT企業に課税する動きがみられます。

この課税政策のことをデジタル課税と呼びます。

なぜこのような課税が行われるのでしょうか。

それは、こういった巨大IT企業の法人税負担が、収益に見合ったものでなく少ないということが指摘されているということが背景に挙げられます。

なぜこのようなことが起こるのか、それには国際課税のルールが関係しています。

現行の国際課税ルールにおいては、外国企業の恒久的な施設(Permanent Establishment:PE)が存在しなければ課税することができません。

そのため、日本で多額の売上を上げている企業があったとしても、日本に工場や支店といったものが存在しなければ、その企業が法人税を支払う必要はなくなります。

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また、課税逃れという指摘も出ています。

税率が低い国や地域に所得を移すことによって、課税を免れるという方法です。

この現状を鑑みて、デジタル課税という動きが始まりました。

G20やOECDなどで議論が進んでいますが、G20においては4大プラットフォーマーを持つアメリカ、アリババ集団やテンセントを含んだ、急成長している新興企業を有する中国などが反発を強めており、議論は停滞してしまいました。

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OECDについては、2020年1月に大枠を合意、2020年末に最終合意という予定が立てられました。

主な検討課題は2つあります。

1つが、先にも述べた、工場や支店といった恒久的施設を所有していない国においては、その企業に課税することができないという規定の見直しです。

見直しの案としては、アメリカ、イギリス、そして新興国から3つの案が出されています。

この案を1月までに統合することを目指して動いていきます。

もう1つの課題が、最低税率の導入です。

それぞれの国が無制限に税率を引き下げることがないように、最低税率を設けるということですが、これに関しては最低税率の水準をどの程度に設定するかを議論する必要があります。

このように、グローバルなIT企業に対しての規制が動き始めているわけですが、現時点では国際ルールが明確に定められているわけではない状況です。

そこで各国は個別にデジタル課税に対する策を打ち出し始めています。

フランスでは2019年7日に、GAFAに対しての国内課税を可能とする「デジタル・サービスへの課税創設」法案が可決されました。

対象となる企業はフランス国内において年間の売上高が7億5000万ユーロ以上のもので、売上高の3%を課税することと定めました。

フランスのルメール経済・財務相は、デジタルの分野で多額の利益を上げているにも関わらず、他の業種と比較して支払っている税金が14%も低いことを指摘していました。

フランスが世界に先駆けてデジタル課税を導入したのには、国際的な議論のきっかけとなる狙いもあるとハモンド財務相は述べています。

また、このルールは先述したG20やOECDにより国際的なルールが定められるまでの一時的なものであることも合わせて説明しました。

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イギリスでも10月にデジタル課税が導入されることが決定しています。

新ルールでは、イギリスにおいてIT企業が得た収入に関して2%の税を課す予定となっています。

対象となる企業は、世界の売上高が年間5億ポンド以上の事業部門となります。

イギリスのハモンド財務相は、イギリスにおいて収益を上げているグローバルな企業に税金を払ってもらうことが目的で、ベンチャー企業や起業家への投資を妨げるわけではないと演説で説明しています。

フランス、イギリス以外の国や地域においてもデジタル課税導入への動きが起こっています。

インドにおいては、非居住者によるオンライン広告サービスによる受取額について6%の課税を行う平衡税や、従来のPE周辺の取り決めに対応するルールの策定などが実施されています。

イスラエルにおいても、非居住者企業の提供するオンラインサービスが、「需要な経済主体」が存在する場合に課税の対象となるという取り決めを実施する見通しとなっています。

ここまで各国が進めてきているデジタル課税を紹介してきましたが、各国が個別にデジタル課税を進める動きについては、批判的な意見も出ています。

様々な課税制度が乱立することによって、二重課税のような現象が起こる可能性もあるからです。

デジタル課税の影響

では、各国が行い始めているこのデジタル課税は、GAFAやBATISにどのような影響を与えているのでしょうか。

アメリカや中国は、デジタル課税について、IT産業の発展が妨げられるなど反対しています。

2019年の7月にアメリカは、フランス政府の導入したデジタル・サービスへの課税創設について不公平な貿易として制裁を発動することができるかについて調査を開始しました。

7月末にあったその後の報道によれば、フランスの製品に追加の関税を付加するという対抗措置を検討しているということが明らかになっています。

ここで、Amazonのデジタル課税を受けた対応を紹介したいと思います。

フランスがデジタル課税の導入を決めたことは先にも述べましたが、その結果Amazonのコストは増大します。

このコストを、消費者や取引会社に転嫁する予定であるとの発表がなされたのです。

このような動きに、他のプラットフォーマーが追随する可能性もあります。

生活の一部を構成しているこれらの企業が、サービスや製品を値上げしてユーザーがどのような反応を示し、どのような影響があるのか、現状ではまだわかりません。

しかし、デジタル課税の国際的なルールが定まると、GAFAやBATISといったグローバル大手企業に与える影響は大きいということは間違いなく、その影響は私たちユーザーにも及ぶものと考えられます。

当事者である企業、そしてユーザーも今後の動向が気になる事象であると言えるでしょう。

まとめ

アメリカの4大プラットフォーマーであるGAFAは、アメリカ国内に留まらず全世界にその地盤を浸透させつつあります。

そして中国の5つのプラットフォーマーであるBATISは、中国において急成長し、世界にも徐々にその勢いを広めつつあります。

これらの企業は海外においてPEを所有していないことから、法人税を支払う必要がなくなる他、税率の低い国に所得を移すなどの税金逃れも指摘されており、対処するためにデジタル課税の議論、導入が行われてきています。

現時点では国際ルールは定まっておらず、各国の個別対応になっていますが、策定されることによりGAFAやBATISのような企業に、そしてユーザーにも影響が拡大すると見られます。

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