EU加盟国のメリットと問題点とは?イギリス離脱の影響

イギリス

EU(ヨーロパ連合)は2019年10月末現在イギリスを含む28か国で構成されています。

既にご存じの方も多いと思いますが、参考までに以下にその加盟国を列挙します。

EU加盟国

アイルランド、イタリア、英国、エストニア、オーストリア、オランダ、キプロス、ギリシャ、クロアチア、スウェーデン、スペイン、スロバキア、スロベニア、チェコ、デンマーク、ドイツ(加盟当時は西ドイツ)、ハンガリー、フィンランド、フランス、ブルガリア、ベルギー、ポーランド、ポルトガル、マルタ、ラトビア、リトアニア、ルーマニア、ルクセンブルク

以上のEU加盟国を改めてご覧いただいた理由は、国際的にみて強国と言われる国だけではなく、ほんの小さな弱小国と言われる国まで様々な国家が参加し加盟していることを改めて認識していただきたくご紹介しました。

当初は、ベルギー、ドイツ(加盟当時は西ドイツとして加盟)、フランス、イタリア、ルクセンブルク、オランダが原加盟国としてEUの構想をヨーロッパ各国に広めていきました。

フランスの老後の社会保障の年金制度と健康保険の仕組みは問題ないのか?
今現在、先進国諸国においては少子高齢化が進み、社会保障への影響も非常に大きなものとなっています。そんな先進国の中でも高齢化が始まるのが最も早かったのがフランスとなります。今回は、そんなフランスの年金制度や医療制度がどのようなものであ...

現在、イギリスのEU離脱に向けたイギリス国内の混乱等が地球の裏側にいる私たち日本人にも報道やWebサイトで伝わってきます。

しかし、イギリスのEU離脱にばかりにフォーカスが当たっていますが、現在の上記お示しした各国がEUに加盟している国々にとってのメリットには何があるのか?ということや、その反面として課題点や問題点はどのようなものがあるのかについてはあまり報じられていません。

そこで、今回はEUに加盟する国々におけるメリットやデメリットなどをご紹介するとともに、ブレグジットと呼ばれるイギリスのEU離脱における影響はどのようなものがあるかをご紹介したいと思います。

はじめに

先ほども前項でご紹介したように、EUの原加盟国としては6か国で、ベルギー、ドイツ、フランス、イタリア、ルクセンブルク、オランダによって1952年に創設された「欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC:European Coal and Steel Community)」設立がスタートのきっかけとなりました。

このことはあまり日本では知られておらず、いきなりヨーロッパでEUが結成されたと思っている方が意外に多くいます。

そもそもの母体はこうした共同体が基本をなしていました。

その後、現在のEUの原型となる「欧州経済共同体(EEC:European Economic Community)」が1957年に原加盟国6か国により創設されることになります。

団塊の世代の方々は中学校や高校の世界史で学ばれた方々も多いのではないでしょうか。

その後順次、現在の28か国に至るまでに参加してきた国々を年別に見てみますと、以下のようになります。

なお、この年表は後述する内容に関連していますので、注意してみてください。

1973年 デンマーク、アイルランド、イギリス 参加

1981年 ギリシャ 参加

1986年 ポルトガル、スペイン 参加

1995年 オーストリア、フィンランド、スウェーデン 参加

2004年 キプロス、チェコ、エストニア、ハンガリー、ラトビア、リトアニア、マルタ、ポーランド、スロバキア、スロベニア 参加

2007年 ブルガリア、ルーマニア 参加

2013年 クロアチア 参加

以上のような経緯により、現在の姿である加盟国28か国体制になっています。

EU加盟国28か国体制

これらのヨーロッパ諸国以外に今後EUに参加が検討されている国としては、アイスランド、セルビア、トルコ、マケドニア(旧ユーゴスラビア)、モンテネグロなどの国々が名を連ねています。

これらの国々が参加することで、よりヨーロッパ各国の国際的発言力が増すことを目的として、存在感が増すことになっています。

ちなみに、ヨーロッパにおいて地政学的に中央に位置しているスイスは、日本においては永世中立国として名高い国になりますが、このEUには参加しておらず、世界地図にEU加盟国を塗りつぶす地勢図を見れば、「おへそ」のようにぽっかりとスイスの部分だけが色付けされていません。

スイスは、あらゆる意味で他国からの干渉を受けたくないこと、干渉しないことを国是ともしていますので、この点は仕方がないと言えるでしょう。

上の年表でもお分かりいただいていると思いますが、2013年のクロアチア参加から以降EUに参加する国が出ていません。

ここで注目しておきたいことは、1957年の発足のEECから第一次拡大として17年後のイギリス、デンマークなどの加盟に至っているということです。

一口に17年と言っても、その間に徐々にではありますが、ヨーロッパ各国全域での相対的な国際的地位が漸減傾向にあったことで、連合体を作ってその克服策とする具体的な行動に出たということになりました。

次にはその克服策の成果としてのEU加盟することに対するメリットをご紹介しましょう。

EU加盟国におけるメリット

EUに加盟している国々には、様々な規模的・勢力的背景があります。

そのためEUに加盟している国にとってのメリットを語るときに、強豪国と弱小国を同列で述べることは非常に難しい内容になっています。

つまり、国の事情が大きくこの背景に起因しているからです。

そこで、今回EUに加盟していることのメリット・デメリットについては、各々の背景別に分けてご紹介することにします。

① EU加盟国の弱小国にはメリット

特に注目していただきたいのは、2004年、日本では平成16年になりますが、ヨーロッパの10か国が一気にEUに加盟しました。

しかし、その国々を見てみますと、キプロス、チェコ、エストニア、ハンガリー、ラトビア、リトアニア、マルタ、ポーランド、スロバキア、スロベニアと弱小国ばかりが加盟しています。

弱小国と言ってはその国々の国民の皆様にとってやや失礼に当たるかもしれませんが、この10か国の総人口は、調査年代に若干異なりがありますが、総数で約7千万人弱になります。

EU全体では5億人を超している現状からも、その率にして1割にも満たない人口構成になります。

こうした国々では、自国単独で政治・経済・軍事を他国と同じように保有することの不合理さが大きくクローズアップされていました。

そこで、これらの国々ではEUに加盟することで、その政治力、経済力、軍事力に依存(共用)することで、立国を図ろうとする意図があり、そのメリット面を活かしています。

ただし、軍事力に関しては、EUの場合、EU軍というものは持たず、NATO(北太平洋条約機構:North Atlantic Treaty Organization)の軍事力を背景にしていると言って良いでしょう。

イギリス軍の装備、戦力、給料、階級、グルカ兵とは?
今回は、イギリス軍に関する戦力評価を中心に、その公表情報を基に内情を総合的にご紹介したいと思います。前回は「ドイツ軍」ということで特集しましたが、今回は同じEUに所属する「イギリス軍についての紹介になります。 ただし、EU諸国ではN...
ドイツ軍隊の「戦力強さ、階級、装備、特殊部隊、給料」とは?
今回は、「ドイツ軍隊」についての特集を特に戦力強さ、階級、装備、特殊部隊、給料をご紹介したいと思います。ドイツ軍隊と言って皆さんは、どのような印象をお持ちでしょうか?年配の方々にとって「ドイツ軍隊」といえば、第二次世界大戦当時の「ナ...

このNATO軍は、アメリカやカナダが加盟していることから純然とヨーロッパを代表するということにはなっていません。

東西冷戦時に西側の防衛の要となる軍事同盟の名残も今もなお維持し続けていると言って良いでしょう。

更に詳細な加盟国としてのメリットは、EU域内であれば自由な通行が可能となり自国民のEU域内における自由往来が保証されていることから、闊達な流通ルートを含む活性化が図れていることにあります。

また、国境における通関業務がなくなることで税金を支払わなくても物資の輸出入が可能になっていることは、これら弱小国にとっては大きなメリットになっています。

また、金融面でも統一通貨ユーロを導入することにより、金融政策の安定化を実現することが可能になったことが挙げられています。

自国通貨の信用性・信頼性が弱小国のために中々上がらないわけですが、EUにおける単一通貨であればそれらの信用性は非常に高くなり、国際決済の際にも有利に働くことがあり、その国にとってのメリットの一つと言えるでしょう。

さらに、今までは先進諸国だけで独占されていた科学技術力を共有できる点は大きなメリットとなっています。

このことは弱小国だけのメリットに留まらず、強豪国間でも大きなメリットになっています。

この点は、次項の強豪国のメリットでも詳しくご紹介します。

次には、自国1国だけでは経済基盤の弱い弱小の国々では解決できなかったようなインフラ問題や社会制度の整備をEUの傘下に入ることで徐々にではありますが改善させることができる点メリットとして挙げられています。

つまり、電力供給の問題、隣国との道路整備、空港施設などのインフラが叙情に改良されてきています。

②EU加盟国の強豪国でのメリット

次に、強豪国である、ドイツ、フランス、イギリス、スペイン等におけるEU加盟におけるメリットについてご紹介したいと思います。

この4つの国々における人口を総計してみますと、2億6千万人弱となり、EUにおける約半数の人口を抱えていることになります。

28か国のうち4か国、つまり1割強の国でEUの人口の半数を擁しているということになります。

こうした国々がEUに加盟していることで受けるメリットは、まず自国工業製品などを輸出する際の関税が無くなるということになります。

そのため自国製品の優位性が保てる結果になっています。

日欧EPA発効とは?対象品目は?
海外の国との貿易を行ううえでポイントとなるのが、関税です。この関税撤廃をもりこんだ経済連携協定が日本とEUの間でなされています。協定を結んだことで従来から関税の取り決めがどのように変わったのか、ご紹介したいと思います。日欧EPAと...

また、有史以来全ヨーロッパが民主的に統一されたことのない地域柄でもあります。

帝国等の独裁国家形成は過去にありましたが、民主主義の旗の下で統一国家組織のような疑似国家が悲願でもあったわけです。

その理想が実現しようとしていることにメリットがあるとされています。

EUはその運営をヨーロッパ理事会で運営しており、欧州連合大統領という代表者がそのTOPに就いています。

基本的には、大統領権限はあまり無く、この理事会でEUの政策、方針などが決定されるわけですが、当然経済力、軍事力を背景にした強豪国の意向が大きく反映されたものとして会議は運営されることになっています。

こうした点でも強豪国にとっての大きなメリットとなっています。

また、先の弱小国のメリットとして記載しました、科学技術力の共有と集中化が可能になったことは、強豪国にとっても大きなメリットとして考えられています。

今まで各国の研究所や開発機関が同じような研究テーマや開発課題を同時進行的に行っていた状態が、効率化され優秀な人材や設備がEUの名の下に一極集中的に展開できる点が費用面、実効果面で大きなメリットとして挙げられています。

そのため、その成果としてEU結成以降多くの新規発見や発明、論文発表などがなされる結果になっています。

③EU加盟国メリットの総論

他の論説文や解説書には、単にEU全体における加盟国のメリット、デメリットを論じているものが多いようです。

しかし、EUの実態そのものは、全ヨーロッパの国々を対象としていることから、加盟する国の国力の強弱が明らかに存在しています。

EU議会では、1国1票を基本に置いてはいるものの、EUにおいて強豪国主導の政策や対策が組まれているのは事実です。

ここでは、敢えてEU内の国々を弱小国と強豪国とに分けてメリットを開設させていただきました。

そうすることで、よりEUにおける理解を読者の皆様に深めていただこうという狙いです。

なお、日本ではあまり知られていませんが、EU域内における言葉の壁の問題です。

EUのように多国間の行き来が可能になれば言語の壁が自然と生じるはずです。

しかし、あまりそうした話題は耳にしません。

逆にデメリットとして挙げている論説も目にしたりします。

しかしこれは、ヨーロッパにおいて初等教育から多言語に親しむ習慣があり、3か国語から5か国語は読み書きはもちろん、ヒアリングやリスニングが可能という人たちが多くいます。

島国日本では、第一外国語として英語を中学から大学まで10年間も習い続けているのにもかかわらず、読み書きだけもできない人たちがいます。

そのため逆に、今の日本のこの状態を見てヨーロッパ人の方々としては不思議で理解できない事象のTOP3に入るくらいの状況になっています。

筆者の知り合いでベルギー人の男性がいますが、彼は普通のベルギーの大学を卒業した一般的なサラリーマンですが、英語はもちろんオランダ語、ドイツ語、フランス語をネイティブとして駆使できています。

地続きでもある国々ですので、歴史的にそうした習慣が何百年と続いてきたせいでもあるのかもしれません。

なお、ヨーロッパには、各国語の他に国境近辺でしか使用されない言語が存在します。

単なるフランス語、ドイツ語というだけではなく、フラミッシュ語、ワロン語などがそれにあたります。

ここではこのコラムの主題から離れますので詳述しませんが、ご興味のある方は一度調べられてはいかがでしょうか。

これらは単なる方言の域を超えるものとしても有名な言語になります。

(3)EU加盟国のデメリット

それでは、次にEUに加盟している国にとってのデメリットを前項までの区分に従って、弱小国にとってのデメリット、強豪国のデメリットとしてご紹介することにしましょう。

①EU加盟国の弱小国におけるデメリット

弱小国では、いわゆるメリットでもご紹介したように自国の意見が通りにくいというデメリットがあります。

つまり、国力をバックにした発言力の強弱が指摘されています。

1国1票ではあるものの、やはり意見の強弱は国力の強弱に所以します。

「根回し」や事前の「ロビー活動」などにもその痕跡が明らかに見て取れます。

更には、大きな決定事項に対して外部発信があまりなされていないことで透明性が低いという指摘が方々から聞こえてきます。

大国の思惑の通り動かざるを得ない弱小国の悲哀とでもいうべきなのでしょうか。

筆者が知っている友人のベルギー人曰く、やはり国力の差がEU域内でも大きく影響しており、ベルギーなどは中位に位置する国だけに強豪国の思惑、弱小国の悲哀など同時に理解できるといっています。

次に、その国々の中央銀行が金融政策の決定が行えないという金融自主化を阻まれている点にあります。

欧州中央銀行(ECB:European Central Bank)により共通通貨であるユーロに関する金利政策や総量規制などの最重要な金融政策が決められており、弱小国ではそれに従うしかない状態に置かれ、その意味では大きなデメリットになっています。

また、EUにおける地域間格差もデメリットとして挙げることができるでしょう。

強豪国はEU結成前より豊かな国づくりをしてきましたが、弱小の加盟国ではまだまだで、人件費一つでも時給に換算すると、4ユーロ(約400円程度)の弱小国があるかと思えば、強豪国では40ユーロ(約4,000円)というようなところもあります。

この現象と合わせて国境の壁が低くなったことが加わり、弱小国では、有為な若者の出稼ぎ労働者が先進国に詰め掛けているという事態にもなっています。

最後には、国力の差が人材育成の差を明確化している点にあります。

あまり論じられないことですが、EU加盟前には、自国で優秀な人材として処遇されていた人材も、EU全体から見れば普通程度の能力しかないという評価がなされたりします。

このことは、東西両ドイツが合併し現在のドイツになった時と同じ現象になります。

ドイツの老後の社会保障の年金制度と健康保険の仕組みとは?
今の社会では当たり前となっている社会保障仕組みですが、初めて導入した国をご存知でしょうか。最初の社会保障が成立したのはドイツであり、年金制度や医療保険制度(健康保険)などがこれまでに幾度も改正され、現行の制度へと至っています。今回は...

当時東ドイツは、社会主義であり、その中で優秀な技術者とされていた人が合併により職を失い、一般の職人になっているというケースが散見されたことにも似ています。

この問題も年を経るごとに解消されていくことになるでしょう。

②EU加盟国の強豪国におけるデメリット

強豪国では、強豪国なりのデメリットがあります。

つまり、今までは自国だけで独占することができていたありとあらゆる資源がEUに吸収されてしまうということです。

このことは、現代国際社会が、「保護主義傾向」にあるという国際基調の中で、EU加盟国のそれぞれにとって最も大きなデメリットとして挙げることができるのではないでしょうか。

アメリカ合衆国を例にとると、バラク・オバマ大統領時代までは、ヨーロッパとの協調路線を歩んでいましたが、ドナルド・トランプ大統領になってからは、貿易不均衡是正の名の下に、他国との関税戦争を仕掛けています。

EUにおけるデメリットとして強豪国がこのように保護主義に傾斜することができない、自国優先政策をとることができないというデメリットがあります。

イギリスは、こうした保護主義政策の実現に向けてブレグジットを目指す理由の一つとしています。

後ほどブレグジットにおける影響でも述べますが、EUの理念とは真逆の発想と言わざるを得ません。

強豪国にとっては、この問題が足枷(あしかせ)になっているという部分は実業界では大きくクローズアップされているところです。

更に、強豪国にとって大きな負担になるのが難民問題です。

中近東やアフリカ諸国などから大挙して押し寄せてくる難民に関して、その受け入れだけで莫大な費用負担が発生してきます。

少しデータは古いですが、2014年における難民申請件数を見てみますと、ドイツが約20万件、スウェーデンが約8万1千件、フランスおよびイタリアが各々約6万4千件と非常におおくの難民が押し寄せています。

国際人道上の問題もあり、先進諸国であればあるほど受け入れを拒否できないのが実情です。

多くは、中近東での紛争回避や北アフリカ諸国での内紛・貧困による難民が多く、そのほとんどが着のみ着のまま状態で押し寄せてきます。

そのため各国としては、受け入れる業務だけで忙殺され、ヒト・モノ・カネが莫大にかかり、相当な負担となっています。このデメリットに対応すべくEU域内での調整が続いていますが、弱小国では受け入れの限度があることから、対策は遅々として進まないでいるのが実情です。

③EU加盟国のデメリット総論

総じて、弱小国におけるEU加盟のデメリットとしては、自国のアイデンティティともいうべき、歴史・文化が失われていくことへ危惧する識者も多くいることに注目しなければなりません。

このことは、明治以降の日本で危惧された「欧化政策」に対する反対論にも見ることができます。

優れた先進技術の導入、頒布によって組織や国全体において高度な部分での均質化がかえって自国の存在意義を失わせる要因になるとの意見です。

しかし一方、強豪国においては、そうした内容でのデメリットはないと言って良いでしょう。

ある一定の援助や補助を行うだけで、それらの国々に対してキャッチアップさせることができる仕組みが出来上がりつつあります。

強豪国のデメリットと弱小国のデメリットを比較した場合には、やはり弱小国のデメリットの方が幾分重いように考えられます。

しかしながら、弱小国にとっては、このデメリットを上回るほどのメリットがあるために加盟していると言っても良いでしょう。

そのため、EU加盟準備国として、先にも挙げたアイスランド、セルビア、トルコ、マケドニア(旧ユーゴスラビア)、モンテネグロなどが準備中となっています。

なお、ここでの準備国の中には、強豪国としてはトルコですが、遠い昔から、トルコは東西両文化の懸け橋になっているとの自負もあり、今後将来におけるEUの姿がこのトルコ加盟により大きく変貌していくかもしれないという観測が識者の間でなされています。

なお、現在トルコでは超大型インフラ整備事業としてボスポラス海峡における海底トンネルの敷設工事が日本の大成建設を中心として実施されています。

このボスポラス海峡は、トルコ国内にある海峡で首都イスタンブールに近接する場所にあります。

過去この海峡があるために物流の阻害要因となっていましたが、海峡トンネルで実績のある日本が万全の態勢で開発することで大きく国内インフラが整備されてくることになります。

(4)イギリスEU離脱ブレグジットの影響

さて、EU加盟諸国における数々のメリットやデメリットを紹介したわけですが、ここに来てイギリスのEU離脱が大きな話題を呼んでいます。

テリーザ・メイ首相当時、苦心惨憺し結局現在のボリス・ジョンソン首相にブレグジットの最終結末を任せてしまうことになりました。

本稿を執筆中の2019年10月中旬には決着はついていませんが、この10月末日をもって、ブレグジットを完遂するということを公言しています。

このブレグジットは、今から3年前の2016年にイギリスにおける国民投票で僅差ながらEU離脱を決定したことに端を発します。

それからは、EUとの離脱交渉にイギリスの国際外交は傾いて行き今現在に至っています。

EUとしても、イギリスの離脱で大きな影響を受けざるを得ません。

先ほどからの区分で言えば強豪国の一角が崩れることになるからです。

金融の中心地であるロンドンにあるシティと呼ばれる地区が金融街として全世界に影響を与えてきたわけです。

イギリスの老後の社会保障の年金制度と健康保険の仕組みとは?
「ゆりかごから墓場まで」という言葉を耳にした人は多いのではないでしょうか。これはイギリスの老後の社会保障に関する言葉となっています。イギリスの社会保障について見ていくと、日本と大きく違う部分が数多く見られます。今回はイギリスの年...

そのイギリスがEU離脱に向けて邁進することになれば、EUの共通通貨であるユーロの信用性が大きく下落することになります。

事実、イギリスでEU離脱論が勃発してからは、国際為替上ユーロ安が持続的に続いているという現象が巻き起こっています。

しかし、イギリスの通貨はポンドでユーロ流通圏外にあったわけですから、実質的な影響は受けないはずです。

しかしそれでも、イギリスの経済、金融、軍事等、加盟国の中では屈指の存在であり、EU離脱を行うこと自体が大きなダメージとなる観測からこのような事態になっています。

このブレグジットのため、大きな障壁になっていたアイルランド問題がジョンソン首相の決断により、大きな前進という形で、現在のEU加盟時における条件をそのまま飲むということで進みそうです。

ブレグジットとは?期限はいつ?影響や意味
読者の皆さんはこの「ブレグジット」についてどれほどご存じでしょうか?ちょっと国際政治や国際経済に興味のある方ならば、その意味することぐらいはご存じでしょう。「ブレグジット」とは、英名「Brexit」と表記される造語です。イギリス...

つまり、アイルランドと国境を陸続きで有しているイギリス領北アイルランドにおける国境問題です。

イギリスがブレグジットしたことにより、再び国境における検問、通関業務、さらには人々の往来を阻害するような事態になることが危惧されていました。

この危惧は、過去北アイルランド紛争があったという事実から再びイギリスの内戦やテロリズムの横行というような事態に発展しかねないという危惧となっていました。

しかし、この北アイルランドにおける国境は検問もなく、関税も掛けないという結論になっています。

イギリスが譲歩する付帯条件として、数年ごとに地元における投票によりこれを継続するか否かを決定するとして、いわゆる玉虫色に決着したと言って良いでしょう。

こうして、EUにおける最も大きな課題であった北アイルランド問題が一応の解決に向かったということは、EU側にとっても大きな前進と受け止めており、好感を持って受け入れられているとの報道があります。

一方、大きな影響問題としては、イギリスに存在する世界的なメーカーや、それだけではなく国内大手メーカーが、他のヨーロッパ諸国に輸出する際には、個々に関税がかけられるということになります。

EU加盟国への輸出の場合、イギリス対EUの交渉図式になるため、イギリスにとっての大きなデメリットにもなりかねません。

しかし、一方では、逆に輸入の場合であれば、イギリス自身が自主関税を設けることができる為、国内メーカーの保護処置や数々の防衛方針を打ち出すことが可能となります。

この問題がブレグジットの支持をイギリス国民が決断した大きな理由でもあります。

海外からの安価な製品やサービスが無制限に流入して来ることで職を奪われた国民の多くは、ブレグジットに絶大な支持をしているという現状があります。

このため、国際的にはイギリスの「国際的孤立化」への懸念などがささやかれていましたが、自国優先の方針に舵を切ったということで、冷静な見方で見守る国が多いということができます。

しかし、反面イギリスに製造拠点を持つような国際的企業の一部は、他のEU加盟国に拠点を移すことで諸関税の問題をクリアにする方策をとるところも出てき始めています。

具体的なメーカーの中でも最も影響力の強い世界の自動車メーカーへの影響をご紹介しましょう。

既に、2019年の上期に決定されている内容になります。

最も日本への影響の強い日本の自動車メーカーでは、ホンダが早々にイギリスのウィルシャー州スウィンドン市にある工場の閉鎖を決定しました。

これは、全世界の自動車メーカーに先立っての決定になりました。

この他、トヨタ自動車、BMW、ジャガー&ランドローバーなどのグローバル展開している自動車メーカーは、ブレグジットにおける各種の混乱を避けるため、一時的に英国での生産を停止しています。

日本の日産自動車は欧州向けの次期モデルを英国で生産することを2016年に発表していましたが撤回し、次期モデルは日本の九州工場で生産することにしました。

アメリカのフォード・モーターは、イギリスでのエンジン生産からの撤退する決定を行い、ドイツのBMWは一部の生産をオランダへ移管することを示唆しています。

また、前出のジャガー&ランドローバーについては、イギリスを中心に4500人の人員削減を検討しているとの報道があります。

このように一時期ブレグジットに対する各種の影響はあるにせよ、慢性的な弊害になる恐れは少ないものと考えられています。

EU加盟国のまとめ

EU加盟国における加盟のメリットとデメリットをご紹介し、ブレグジットにおける影響を考察してみました。

読者の皆さんはどのようにお感じになったでしょうか。

遠く離れたイギリスのことですが、日本の国際的企業も多く進出していることから、その一時的影響からは免れないことになると思われます。

今後も注視していかなければならない国際情勢だと言えます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました