デフレとは?スパイラル 脱却原因いつから

デフレ

デフレはデフレーション(deflation)の略称で、日常茶飯事に使用する言葉になってしまいました。

 

団塊の世代を含めた人たちは、戦後の高度成長期やバブル景気などを経験している人が多く、彼らが盛んに経済活動を行った時期は、インフレ、正式名称インフレーション(Inflation)の方が一般的でした。

 

この時期は、日に日に物価が上昇し、発売すればどんどんモノが売れる時代でした。

 

日々、物価高に追いつこうと世の中が沸き立っていた時代だったと言えるでしょう。

 

良きにつけ悪しきにつけインフレ時代は、何か世の中が活気づいていたといえるかもしれません。

 

さて、真逆のデフレーションはどうでしょう。

 

我が国では現在20年以上のデフレーションを経験しています。

 

未だその出口は見えていないのが実情です。

 

このように長い期間にわたってデフレを経験したことのない私たちですが、なにやら世の中が沈滞しているように感じます。

 

一時の国家的イベントや無理やりの金融政策で一喜一憂はするものの、その根底にはやはり冷めた冷やかさが感じられます。

 

では、このデフレの原因は何なのか、なぜ起こったのか、なぜ20年にも及ぶ長期にわたって続くのかなどを、私たちの日常生活に根差した言葉で、分かりやすく解説を行いたいと思います。

一般的にネットやモノの本によれば、高名な経済学者の方が解説されているものが氾濫しています。

 

しかし、専門用語や経済用語などがちりばめられていて、何を言っているのかさっぱり分からない場合が多いように感じるのは筆者だけでしょうか。

 

また、一方では極端に分かりやすく書かれすぎていて物足りないコラムなども多くあります。

 

さらには、超過激な個人攻撃を含めた記述なども見られ、何がデフレについてリーズナブルで、一般レベルで満足いく解説なのかが分かりにくくなっています。

 

このコラムは、従来からの方針でもありますが、ある程度理解はしているものの、突っ込んだ部分が分からず、そのままにしているという人を対象にしています。

 

おおむね日本成人の半分以上はそういう人だと思います。

 

また、このコラムを読んでいただける方の多くはそのような方々だと考えますので、できるだけ専門用語は使わずに、しかし簡単すぎないような解説になればと思います。

デフレ構造について

デフレーションの仕組みについて、まず以下に手作りした図を見てください。

 

この図の右上(1)から始まり(9)まで進み、そのせいでまた(1)に入るという流れになります。

 

このサイクルの連鎖がデフレの基本構造です。デフレスパイラルとは、(1)の状態から時計回りに1回りして、再び(1)に戻ったときに、過去の(1)の状態の時よりも経済が悪化しているような状態で、次々に前回より悪い状態になっていくことを示します。

 

デフレーションは、一過性の経済現象ではありません。

 

例えば「金融危機」と言っても1年から2年のスパンで見ると収束していたりします。

 

しかし、デフレーションの場合は経済連鎖を引き起こしてしまいます。

 

この現象をあたかも「らせん状」に次々と負の影響が連鎖することから「スパイラル」という言葉で示したものが「デフレスパイラル」と言われています。

 

我が国日本では、前述のごとく20年以上にも及ぶデフレ現象が続いており、この「デフレスパイラル」といって過言ではないと思います。

 

ただし、日本の中央銀行である日本銀行や日本政府などによる各種金融政策や政治政策により「スパイラル」にまでは至っていないという人もいるでしょう。

 

そのため、緩徐な下降傾向とでもいうことになるのでしょうか。

 

そこで、図に示しました各フェーズを順番にご紹介し解説したいと思います。

 

そうすることで何らかの解決策や解消方法の暗示をご紹介できるかもしれません。ぜひご一読をお願いします。

 

デフレフェーズ(1) 「モノの値段が安くなる」

物価がドンドン安くなる現象は、20年以上前には考えられませんでした。

 

高性能高機能、新技術を導入した新製品などは、「高嶺の花」で高価なものでした。

 

デフレサイクルのスタートにこのフェーズを選んだのは、最も元始的なスタートだからです。

 

つまり、高度成長期に見られた技術革新、改善・改良が進み安価にモノが大量生産できるようになったことが大きな要因になります。

 

また、技術の海外移転が進んだせいで海外、特に中国をはじめとした東南アジア諸国の安価な人件費で製造が可能になり製造原価が下がり製品価格も歩調を合わせて低下しました。

 

このことで、日本国内の物価そのものが下落傾向になってしまいました。

 

「100円ショップ」に代表される安価な品物はほぼこうした海外で作られた製品です。

 

昔は「安物買いの銭失い」という諺が実しやかに言われていましたが、今は「安物」でも十分にその機能を果たすようになってきています。

 

科学技術の進展、海外新興勢力の台頭などがモノの値段を安くしてしまいました。

 

自然の成り行きと言えなくもありません。

 

しかし、一方局所的には、インフレ状態という市場もあります。

 

エンターテインメントビジネスで特にテーマパークの入園料などについては、TDLやUSJに代表される人気のある場所は入園料がドンドン上昇しています。

 

これは、需要と供給の関係で、「訪れたい人が多い」=「入園料を高くしても来る」=「人件費や施設整備などに再投資できる」=「魅力がアップする」=「また訪れたくなる人が増える」というインフレ連鎖が起こっています。

 

もう一つ例を挙げます。

 

超高額医療の市場です。

 

希少薬剤や高額機器を使用した医療です。

 

日本では健康保険外診療の範疇に入りますが、この市場はインフレになっています。

 

「稀な病気に罹った」=「高額な診療でも患者は来る」=「高額でも直したい患者が増える」=「より高額にしても患者は来る」=「かかわる技術や知見がさらに深まる」=「完治しやすくなる」=「患者が来る」。

 

一種異質な感じがしますが、これもインフレの状態と言えるでしょう。

 

こうした二つの例でみる「反デフレ市場」ですが、規模も小さく国家的、世界的なデフレを抑制するほどのものではありません。

 

とにかくも、モノが安くなっていることが、我が国日本の現状です。

 

この局面だけ見れば「買い物するのに安くつけばいいじゃないか」と思われるのは当然です。

 

しかし、これには次々と悪い影響が絡んで行くことになります。以降に順次説明しましょう。

デフレフェーズ(2) 「企業業績が悪化する」

当然ですが物価安が続けば、企業として売り上げが減少します。

 

同じものでも1,000円で売っていたものが、海外から安価なモノが入り、500円で売らなければならない。

 

いわゆるそうしなければ「経済競争力」を損なう場合に直面することになります。

 

この場合、1,000円で売っていた時の利益が300円としましょう。

 

30%の利益率ですね。

 

1万個売れた時には1千万円の売り上げで300万円の利益になっていたわけです。

 

しかし、500円で売った場合どうでしょう。

 

同じものなのでそれにかかる原材料費、人件費、流通費等の経費関係はやや安価につくもののほぼ変わりません。

 

ただし、デフレスパイラルが続くとこれらの経費も幾分安価になりますが、それでも1,000円で売っていた時の率よりも悪くなります。

 

500円で売った場合、同じ30%の利益率だとすると150円の利益額となるのが単純計算の結果です。

 

しかし、デフレで諸経費が安くなって何とか40%の利益が出せるようになったとしましょう。

 

結果は200円の利益です。これが1万個売れた時には、5百万円の売り上げで2百万円の利益です。

 

さらに、購買力も弱まることがデフレでは考えられるため(後述)、これだけの数が売れないかもしれません。

 

営業利益率が30%から40%に上がったと言っても、それはあくまでも比率のことで、実態は利益が3百万円から2百万円に低下したとみるべきでしょう。

 

利益が3割以上も減少したことになります。

 

このように、企業業績が悪化することで、企業マインドが冷え込んで行くことになります。

 

つまりこの「企業マインドが冷える」ことがデフレでの「ターボエンジン」になります。

 

もう少し分かりやすく解説しましょう。

 

企業としては、万が一の危機を乗り切るために「内部留保金」というものがあります。

 

いわゆる利益を残しておくということです。

 

ひところ国会でも一流大企業の過大な内部留保金の問題で、無理やり企業から吐き出させようと論戦になったときもありましたが、今ではうやむやになってしまいました。

 

この内部留保金は企業自身にも、また従業員にも還元されない万が一のための積立貯金のような存在で、現実社会へ影響しなくなってしまいます。

 

一般の私たちの場合ですと、いわゆる「タンス預金」とでもいうものになるでしょう。

 

眠らせておくだけで次へのステップに前向きに使うということが無くなっています。

 

そのため、売り上げや利益が万が一上昇しても、内部留保金が積み立てられるだけで従業員にまで還元されることが少なくなっています。

 

このことが問題の根本だと言う経済学者もいるほどです。

デフレフェーズ(3) 「企業が投資を控える」

上の結果、企業としては作っても売れる保証がない。

 

あるいは、価格競争に巻き込まれる恐れがあり、想定した利益が必ずしも上がらない可能性が高い。

 

こうした予想が企業内での趨勢になります。

 

そのため、企業の大型投資が減少します。

 

つまり、新工場建設のための土地買収、最新鋭機器の購入、製造ラインを増加させるなどの拡大路線をとりにくいというのが一般的な傾向です。

 

当然、金利という金融機関から金銭を借りた場合の利子は超低金利政策のため、低く抑えられています。

 

昔のひところに比べればタダ同然で借り受けられるような融資スキームもあります。

 

しかし、利子がいくら安くても、元本は変わりません。

 

元本の返済が出来なくなれば焦げ付きが出て終わってしまいます。

 

そのため、投資を差し控える企業が増えているのです。

 

そのため、政府としては「財政投融資」などを活用して大型の公共投資などを行いますが、これも焼け石に水という場合が多いのです。

 

持論ではありますが、自由民主党政権も安倍首相が政権を握ってから長らくなります。

 

野党側としては阿部首相率いる与党の無駄使いや理由の明確でない歳出を厳しく監視しています。

 

つまり、少しの財政投融資でも、その必要性や妥当性等を追及されてしまいます。

 

そのため、政府による大型支出は、国民全員が納得するようなイベントごとや復興事業に向けざるを得ないのです。

 

与党が敢えて火中の栗を拾うような投資は行わないと言えるでしょう。

デフレフェーズ(4) 「企業が雇用調整を行う」

このフェーズでは、企業行政の悪化と連動して「首切り」が横行するという過激な話ではなく、従業員構成要素を変更するという程度の問題です。

 

つまり、企業の人件費にとって負担の大きい正社員について、この人員を減らし、非正規社員を増やそうとします。

 

我が国日本でも同一労働統一賃金政策が法律によって2020年4月1日より施行されます。

 

筆者にはようやくかという印象がありますが、この法律は日本の企業数の大半を占める中小企業に分類される企業については来年2021年4月1日からの適応となります。

 

この法律によって企業は負担が増大するため、この準備期間を中小企業に与えたということでしょう。

 

しかし、一方この法律には罰則規定がなく雇用の質の水準を下げることで正社員よりも非正規社員を雇うほうが得をする場合も現れることは確かです。

 

欧米では、ずいぶん昔から同一労働同一賃金が叫ばれ、現代においては実践されている場合が多いようです。

 

このように洋の東西を問わず、正規でも非正規でも同一の労働には同一の賃金水準を支払うようにしていますが、非正規とはつまりは有期雇用であって、終身雇用ではありません。

 

そのため、企業側から見れば、期限を設けての労働を提供させる「雇用の調整弁」であることには違いがなくこの法律でそれを抑止することにはなりません。

 

こうしたことがデフレ環境下で緩やかにではありますが次第に増えてきます。

デフレフェーズ(5) 「従業員の生活レベルが低下する」

当然ですが、企業業績に直接影響するのが人件費であるのは古今東西一緒です。

 

企業業績が悪化し、雇用調整局面になってくると、雇われ続けている社員にも影響が出ます。

 

ベースアップの凍結、賞与の減額などが発生します。

 

2020年の春闘の結果も執筆時期に出揃っていますが、いずれも「ベアゼロ」回答が多くなっています。

 

「ベアゼロ」というのは、ベースアップが0円ということで定期昇給がないという事態になています。

 

さらに、このコラムを執筆している時期には、世界経済を揺るがす「新型コロナウイルス禍」が世間を席巻しています。

 

世界では過去、こうした大惨禍を何回か経験しています。

 

伝染病に限れば、古くは黒死病と呼ばれたペスト、近年はインフルエンザウイルスなどが全世界的な被害を引き起こしています。

 

こうした伝染性の感染症は世界経済に大きな打撃を与え、今回の「Covid-19」と呼ばれるコロナウイルス感染もその気配が濃厚になっています。

 

WHOによればヨーロッパを中心にパンデミックになっているということです。

 

こうした状況が直接的にすぐに、わが国の生活者の生活水準を著しく低下させるということはありませんが、やはりボディブローのようにダメージを受けることは間違いありません。

 

ちなみに、この緊急事態に対してアメリカでは、FRB(連邦準備制度理事会)により金利が0.5%引き下げになり、金利は一挙に1.00%~1.225%の範囲になりました。

 

我が国ではどのようにするか2020年3月中旬現在決まっていませんが、なんらかの経済対策を打つ準備は行われていると思われます。

 

こうした世界的なダメージを受けながら、一般消費者の生活レベルは一段と下がっていくことは間違いないと思われます。

デフレフェーズ(6)「生活者として節約生活に入る」

こうした外的要因のために収入が減少しますと当然、受給者は支出を減らそうとします。

 

家庭支出の攣縮が始まります。そのため、国家的には名目GDPも実質GDPもみるみる低下していくことになります。

 

GDPは「国民総生産」のことですが、その字の示すように総生産が減少します。

 

経済ニュースなどでは、「国民の購買意欲が低下してきています」というような言葉で言われたりします。

 

つまり、新たな耐久消費財を買わない、住宅や土地などの不動産はもちろん有価証券などの証券類なども塩漬け状態になります。

 

ある経済学者は、「経済冬眠期」に入るということです。上手く例えたと思いますが、死んではいないのです。

 

ただただじっと呼吸だけをして春が来るのを待っている状態だというフェーズになります。

 

私たちはまさしくその渦中にいると言って良いでしょう。

デフレフェーズ(7)「一般消費が減少する」

上で示したデフレフェーズ(6)の結果でもあり同時進行する現象です。

 

消費活動が全く進まなくなってしまいます。

 

どれだけ安いものでも売れなくなってしまいます。

 

企業は不良在庫を抱えてしまうことになります。

 

結果として、フェーズ(1)の「モノが売れない」となって、デフレサイクルがあたかも無限ループのように次々に発生します。

 

これがまさしく「デフレスパイラル」となって行きます。

 

例えば、1000円のモノを500円に下げて売っても売れなくなり、400円と下げてもまだ売れない。

 

採算割れが発生するのでこれ以上は値下げできない事態になれば、不良在庫の山が出来るということです。

 

いわゆる消費マインドが冷めるということでしょう。

デフレスパイラルから抜け出る方策

上でお示ししましたように、デフレはスパイラルになる場合が多く、一般消費者心理や社会心理学上の問題も加味して加速度をつけて進行するものです。

 

我が国では、経済指標がデフレを示し始めてから約20年間もデフレが続いているのは、このスパイラルが時期によって僅かに良化しているため最悪の事態を免れているだけなのです。

 

全体的にはデフレが続いていますが、ほんのひと時よくなるという繰り返しが続いているだけなのです。

 

そこで、完全なデフレスパイラル克服の方策は何があるの?という疑問にお答えしたいと思います。

 

また次にお示しする図を見てください。

 

これも手作りですが、デフレスパイラルの構造をご紹介したときに似た、克服トルネードとでもいう内容を図式化しました。

 

( )番号は、以下にご説明する順番だとお考え下さい。

 

 

ちなみに、デフレスパイラルという用語はありますが、これを克服する過程を示したデフレ逆スパイラルとでもいうべき現象には名称がありません。

 

ここでは、「デフレ克服トルネード」という名称でご紹介したいと思います。

 

なお、「トルネード」は竜巻のことで巻きがあっていく様子を示したやや激しい状況を示した言葉ですが、良い意味で思うように巻き上げていってくれるかは不安の残るところです。

(1) デフレ克服トルネード(公共投資の拡大)

デフレスパイラルの説明でも若干言及しましたが、ここでは思い切った大型公共投資が求められます。

 

現に我が国日本では、極度で過度なデフレスパイラルに陥っていないのは、この政策がやむを得ず実施しなければならなかったことに由来しています。

 

つまり、9年前に遡る東日本大震災、それに続く台風災害などの甚大な被害に対して、大型土木工事を行わなければならなくなりました。

 

つまり、結果的に大型公共投資が必要になったわけです。

 

これには、政府与野党一致した意見でまとめることができたと言えるでしょう。

 

さらに、大型国際イベント誘致による大型施設の建造があります。

 

2020年夏には東京オリンピック、2025年には大阪万国博覧会、その前後にはIR統合型リゾート施設の国内数か所の建築などが含まれます。

 

さらには、リニア新幹線の開業が東京-愛知間が2027年、愛知-大阪間が2045年の開業予定で建築が進められます。

 

なお、2027年の東京-愛知間の開業後、愛知-大阪間は最速2037年に前倒し開業を目指しているとしています。

 

この大型公共投資が莫大であればあるほど効果は絶大になります。

 

中途半端な公共投資などはかえって財政赤字の微妙な積み重ねにしかならず何の効果も発揮しないことになるためです。

 

日本は島国で地震を初め天災の多い国です。

 

これからも多くの公共投資が必要となることは間違いありません。

 

この公共投資は国がお金を出して行う事業なので民間がそれにより潤うという図式で、その潤った民間企業が次々に好況を生んで行くというサイクルになります。

(2) デフレ克服トルネード(金融政策:金利の引き下げ、お金の量的緩和)

次に、追い打ちをかけるように思い切った金融政策をとります。

 

第一に金利の引き下げを十分行わなければなりません。

 

現在日本では中央銀行である日本銀行が「マイナス金利政策」をとっているため、これ以上の金利引き下げは難しいとの観測が高くなっています。

マイナス金利政策とは?いつからいつまで?メリットデメリット
「マイナス金利政策」について徹底解説! このコラムでは主に、「政治」や「経済」を主要なテーマとして色々な分野や領域のトピックスを特集してきました。 最近は、特に政治、中でも国際政治に関しての話や世界的企業のトピックスをご紹介してきま...

マイナス金利政策については、以前にご紹介した内容ですが簡単に言うと、金融機関が保有する現金のうち日本銀行に預けているお金に対して、預ければ預けるほどマイナス金利、つまりお金を取られる政策を言います。

 

例でいうと1,000億円の預け入れがあれば、現在のマイナス金利が0.1%ですから、1億円減じられて、999億円になってしまうということです。

 

そのため、金融機関からは預入するよりも、わずかな金利でも民間企業や個人に貸し出したほうが良いという方向が出てきます。

 

そのため市中にお金が出回ることになり、好況を呼び込もう落としています。

 

次には、お金の量的緩和ということになります。

 

さて、このコラムをここまで我慢して読んで下さった方々は、ここでこの意味がお分かりになりますか?「量的」とは?「緩和」とは?で躓く方も多いように思います。

 

筆者はこの文言で過去に躓いてしまった覚えがあります。早い話、日銀から発行されるお金をバンバン市中に流しましょうということです。

 

お金の絶対的な枚数(量)自体が増えれば増えるほどインフレ傾向になるという経済原理に則っています。

 

では、具体的にどのようにして紙幣を増やすのか?ということですが、これには各金融機関の持つ「国債」を利用します。

 

金融機関の債権(権利)である保有国債が現金化されるということになります。

 

現金(キャッシュ)が多く入ってきた金融機関は、それを元手に企業や個人に貸し出しを活発化することになり、経済が活性化することになります。

 

これが「日銀による量的緩和」と言われる内容です。簡単でしたね。

(3) デフレ克服トルネード(法人税収入増加)

企業業績が向上すれば当然それに伴う法人税収入が向上します。(1)で大規模公共投資を行った結果に伴う作用としてデフレ克服トルネードの副産物として表出してきます。

(4) デフレ克服トルネード(生活保護費の減少)

景気浮揚策として行われる(1)~(2)のおかげで、雇用環境が回復し失業保険給付総額や生活保護費支給総額が減少していきます。

 

つまり、失業者が職を得やすくなり、生活保護を受けなければならない世帯でも収入を得ることができ始めるということになります。これは上に説明した(3)と相まって国家財政をも潤すことになります。

 

ここで示す(3)と(4)の効果はあくまでも国家財政が潤うというだけで、経済全体が潤うという意味ではないことに注意しなければなりません。

 

一方、重要な「デフレ克服トルネード」の要素であり難しいことは、続く現象をインフレ気味に上手く誘導できるか、あるいは自然にでも進んで行かせることができるのかという問題です。

 

デフレ克服トルネードとして、「従業員の生活レベル↑」→「生活者としての購買意欲↑」→「一般消費↑」の一連の流れを記載しました。

 

一般消費が伸びれば全体的な好況感も高まるという副産物が出てきます。

 

これが政治家やマスコミが恣意的に誘導する好況感の上昇ではなく、本当の意味で「景気が良くなってきたね」とか「最近なんだか忙しくて景気が良くなったんじゃない!?」などの庶民としての景況感が出始めれば、デフレ克服トルネードがほぼ成功したと言えるでしょう。

(5)デフレ克服トルネード(好況感↑)

既に(4)で説明したように、一般庶民である国民が総体として好況感を感じることがデフレ克服トルネードの肝心要になります。

 

ここで、今まで説明を省略していましたが、日銀や政府がデフレを克服する目標として打ち出しているのが「インフレターゲット」という言葉です。

 

インフレターゲットとは、物価指数が上昇し、どれくらいの物価上昇を目標にするかということです。

 

物価目標と言ったりします。

 

現在2020年初頭段階で日銀は2%のインフレターゲットを示しています。

 

このターゲットのおかげで、マイナス金利政策が継続されるということです。

 

つまり、日銀主導で、物価高が2%のレベルにまで上昇するまで、ジャブジャブお金を市中に放出しましょうということです。

 

少し語弊があるかもしれませんが要するにそういうことです。

 

なぜ「2%」なのかは明確な理由があありますが、それをここでご紹介すると、倍ほどのスペースを要することになります。またの機会があればご紹介します。

 

今は、日銀のインフレターゲットが2%ということだけ頭においてください。

 

こうして一般消費が伸びることで、物価が上昇していくというトルネードシナリオです。

(6)デフレ克服トルネード(物価↑)

最終的に諸物価が緩やかに上昇していくことが現在のデフレーションを克服する唯一の結果になります。

 

つまりインフレターゲット完遂ということになり、20年以上続いているデフレーションを克服するという前代未聞の偉業が果たされるわけです。

 

ちなみに、デフレという物価安傾向で経済が沈滞するという状態は、既に紀元前1世紀ごろの社会の爛漫期に、中国の漢書に記載があり、戦乱や内戦のおかげで克服した様子が記載されているそうです。

 

それほどこのデフレという経済現象は人類社会と結びついた現象だと言われます。

まとめ

ここでは、デフレーションがどのようにして発生し、経済循環の中でそれが蔓延していくかを「デフレスパイラル」を題材に紹介しました。

 

更に同じ分量をかけてそのデフレーションを克服するためのデフレ克服トルネードをご紹介しました。

 

このデフレ克服トルネードは一般的ではないので、名称は覚えないほうがよいでしょう。古今東西、インフレにせよデフレにせよ経済が揺れ動きながら歴史を刻んでいくことだけは確かです。

 

ここで申し上げたデフレが仮に克服されたとしても、その次にはインフレが待ち構えています。

 

物価高で何も買えない、給料は上がったけれど、それに合っただけの生活が出来ないなどの問題です。

 

日本にもアメリカにもバブル経済がありました。

 

「泡」のような実体のない経済状態で、消費者マインドが浮れ踊った時代です。

 

日本の場合もアメリカの場合も両者とも不動産バブルでした。

 

直接的な原因は両国異なっていましたが、デフレが蔓延する経済状況の中では夢物語のような話です。

 

しかし、実際に発生した経済事象なのです。今のデフレも近い将来克服されるでしょう。

 

いつなの?という質問には答えが見出せませんが、この先10年にもならない内にとだけは言えます。

 

30年続くデフレーションは現実問題としてあり得ないと考えるからです。

 

克服できる大きな要因は、全世界的な科学技術の飛躍的な進歩になります。

 

人口問題、地球温暖化問題、地域紛争、エネルギー問題、世界的地域間格差などを次々に新たな科学で克服されていくことでしょう。

 

しかし、反面そうした科学技術の進歩がそれらを悪化させてしまうかもしれません。

 

皆さんも一度じっくりと考えてみられてはいかがでしょうか。

デフレ
スポンサーリンク
ご協力お願いします

この記事良かったと思ったら次の記事を書く励みになりますのでシェアよろしくお願いします。

yakunitatusをフォローする
シン君の気になる役立つ情報

コメント

タイトルとURLをコピーしました