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ブレグジットとは?期限はいつ?影響や意味

イギリス

読者の皆さんはこの「ブレグジット」についてどれほどご存じでしょうか?

ちょっと国際政治や国際経済に興味のある方ならば、その意味することぐらいはご存じでしょう。

「ブレグジット」とは、英名「Brexit」と表記される造語です。

イギリスが欧州連合(EU)から離脱することを総称するマスコミなどでよく使われる名詞です。

「イギリス」を示すBritishと「出口」を示すexitの混成語として作られました。

元々、この「ブレグジット」はギリシャのユーロ圏離脱が想定された時代に、ギリシャを示すGreekと出口のexitを混成した「グレグジット(Grexit)」に由来するとされています。

その時代には、ギリシャは債務超過に陥り国家規模でのデフォルトになったことからEUからの離脱を強いられるとのビジネスリポートから作られました。

現在、ギリシャは昨年2018年8月に金融支援プログラムが完了しており、この「グレグジット」は回避されています。

しかし、今回ここでのテーマとして扱う「ブレグジット(Brexit)」の問題は、全く異なる次元であり規模であることを深く理解されている方は少ないのではないでしょうか。

多くの方々が利用されるWeb百科辞典であるWikipediaや各種報道コラム等を見ても、2019年9月でもなお現在進行形で動きを見せている問題であり、理解するのには非常に苦労しなければできません。

そこで、今回このブレグジットについてご紹介するわけですが、概説的な紹介を試みるもので、このコラムを読めば、ある程度国際ニュースに出てくるブレグジット関連ニュースが理解できるようになることを目指します。

そのため、既によくご存じの方や専門家の方には物足りない内容になっていると思います。

ブレグジット初心者に向けた入門コラムとしてお読みいただければ幸いです。

なお、文中に出てくる単語はカタカナ表記と英単語表示を併記しておきますので、英語の得意な方は英単語で検索し英文で記事を読まれても良いかもしれません。

目次

(1)ブレグジット(Brexit)を決断した理由

(2)ブレグジット(Brexit)の進行状況

(3)ブレグジット(Brexit)の問題点

(4)ブレグジット(Brexit)と影響

(5)ブレグジット(Brexit)の今後

(6)まとめ

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ブレグジット(Brexit)を決断した理由

イギリスがEU離脱を決断したのは何故かという根源的なテーマからご紹介したいと思います。

まず、イギリスは過去から独立志向の強い国として認識することが重要です。

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「大英帝国」時代から他の国々を英連邦に組み込んでいった歴史があり、自国が他の国々と共同して対等な立場で組織化するという意図は希薄だということです。

しかし、ヨーロッパ経済の低迷やヨーロッパ圏での発言力を維持発展させるためにイギリスは、1973年にヒース政権下において欧州経済共同体 (EEC:European Economic Community)に加盟を果たしています。

これに対して、この当時にもイギリスでは加盟翌々年の1975年に、このEECからの離脱の話題が全国的に巻き起こり、国民投票を実施するまでになりました。

この時には、EEC側が妥協案を提示したこともあり残留が決まったという経緯がありました。

その後、イギリスは一歩進んだ連合体である欧州連合(EU:European Union)に、2008年に加盟することになりました。

この時の条約がポルトガルのリスボンで締結されたことから「リスボン条約」と呼ばれ世界から注目を浴びる一大経済圏が完成したことになりました。

今回のブレグジットの話題に関しては必ずと言ってよいほどこの「リスボン条約」という言葉が出てきますので覚えておいてください。

特に、第50条はEUからの離脱について書かれた条文になっていますのでこの話題では頻出します。

しかしながら、やはりイギリスは独立志向の強い国として、また自国優先主義(保護主義とは異なります)が国内で台頭して来ることにおなりました。

そのため2016年6月23日、イギリスにおいてEUから「離脱すべき」とする離脱賛成派か「残留すべき」とする残留派(離脱反対派)の2派に分かれて国民投票が行われる事態になりました。

その結果、国民投票で離脱賛成派が51.9%であったのに対し、残留派が48.1%となりました。

この国民投票の結果を受けて2019年の現在まで続く「イギリスのEU離脱に向けた混迷」が始まったわけです。

この時の国民投票の投票率は71.8%となり、英国民3,000万人以上が投票を行った計算になります。

一般的に、イギリスの総選挙における国民投票率が2015年度の場合、66.1%、2017年の時には68.7%ということですから、このEU離脱を巡る賛否を問う国民投票への関心が非常に高かったことを示しています。

なお、日本の国政選挙における全世代の投票率は概ね50%強ですから、国民の政治への関心度合いはイギリスの方が優れているということになりそうです。

話は脱線してしまいましたが、いずれにせよイギリスにおけるEU離脱は、その民主主義に則って国民の総意として決定されたことになりました。

しかし、この離脱を巡る問題が、単に独立志向の強い国民性だからというだけではないことはお気づきだと思います。

そこで、この国民投票のテーマになった「イギリスのEU離脱」はどのような動機で巻き起こったのかについて大きく三つの要因に分けてご紹介したいと思います。

第一に、EU自体が持つ最終像(目的)とも呼ぶべきEUの未来像が、全てのEU加盟27か国を巻き込んだ統一国家のような形態を持ちたいという姿にあります。

これに従えば、イギリスが国家ではなく州や地方都市に成り下がってしまうという危機感が多くのイギリス国民の中で噴出したことが一因として挙げられます。

これは、『「グレート・ブリテン」と呼ばれた世界に冠たる大英帝国は、ユニオンジャック(イギリスの国旗)の旗の下、女王陛下に忠誠を誓い発展を遂げていく』というイギリス国民のDNAのような特性に由来しているという評論家もいるほどです。

第二に、国内の優秀な中小企業がEU圏内の規制に縛られて発展できないという一種の「ジレンマ」があります。

逆にEUという組織に所属している限りこうした国内有望中小企業の発展を望むことができないとする観測が離脱派の勢いを助長させることになっています。

第三に、難民受け入れの問題です。EU域内における難民を受け入れるか否かの選択を今後も多く迫られることになります。

EU域内にとどまれば、こうした難民受け入れも拒否することができないと言うことになります。

難民問題については、全ヨーロッパでも問題になっています。

ドイツなどでは、過去第二次世界大戦後の急激な人口不足を補うため、多くのアラブ人を移民として迎い入れた歴史があります。

しかしながら、イギリスにおいてはそのような歴史的背景はなく異民族などの受け入れには非常に保守的であると言える国でもあります。

以上のような理由や背景がありイギリスでは、僅差の国民投票結果をもってブレグジットつまり、EUからの離脱を決断したということになります。

日本人の目から見れば理解し辛い現象かもしれませんが、貴族社会であったイギリスの近視眼的な政策が表出している良い例になるかもしれません。

ブレグジット(Brexit)の進行状況

2016年6月23日に実施された国民投票以降2019年の現在に至るまでの進行状況はどのようなものであったのかについて順を追ってご紹介しましょう。

これは、前項で示しましたEU離脱の理由だけでは、EU離脱を実現させるには非常に困難な道のりであることを示しています。

さらには、国民投票結果と言えども僅差であることなどが、その後の進行状況を混迷させている原因になっています。

まず、国民投票を行った2016年6月に首相であったデーヴィット・キャメロン(David William Donald Cameron)氏は、EU離脱反対派、つまり残留派だったためこの投票日に合わせて辞任することになりました。

その後任として首相の座に就いたのがテリーザ・メイ(Theresa Mary May)首相です。

彼女は、イギリス第76代首相となり、マーガレット・サッチャー(Margaret Hilda Thatcher,)に続く2人目の女性首相になったことでも有名になりました。

この時の内閣の布陣では、欧州連合離脱大臣が新設され、そのポストにデイヴィッド・マイケル・デイヴィス(David Michael Davis)、財務大臣にフィリップ・ハモンド(Philip Anthony Hammond:前内閣では外務大臣)、外務大臣にボリス・ジョンソン(Alexander Boris de Pfeffel Johnson:前ロンドン市長で2019年9月現在イギリス首相)が就き発足しました。

イギリスのブレグジットが世界的に有名になり、日本でも喧々諤々のイギリス国会の様子が映像ニュースとして映し出されることが多かったわけですが、メイ首相もその中心人物として日本でも有名になりました。

彼女は当然離脱派であり、離脱を積極的に進めようと当時ヨーロッパ各国の首脳陣を説得する必要に迫れていました。

そのため、国内政治の足元を固める必要性があるという理由で総選挙を前倒して実施し、政治の世界でも離脱派で固めようとしました。

ここで注目しておかなければならい点は、イギリスでは与党の「保守党」と最大野党の「労働党」の二大勢力で政治が運用されている点です。

最大野党である「労働党」以外には「スコットランド国民党」「民主統一党」「自由民主党」「シン・フェイン党」等比較的小政党が存在しているのがイギリスの政治状況になります。

しかし、離脱を巡る国民投票を行った日からちょうど1年経った、2017年6月8日に実施されたイギリス総選挙では、メイ首相の率いる保守党は第一党の地位は維持したものの、議席を選挙前から13議席も減らしたため単独過半数を維持できなくなりました。

そこで、野党である「民主統一党」の閣外協力を取りつけ第二次メイ内閣を発足させることになりました。

さて、ここからが紆余曲折の連続になりますので、一般の政治コラムを読んでいても「?」が連発することになりますので注意深く読んでください。

できるだけ分かりやすく紹介します。

2019年1月15日にメイ内閣によってなされた、ブレグジットに関してEUとの間で結んだ協定案について国会審議が行われることになりました。

しかし、イギリス国会下院で採決がなされたのですが、その結果、賛成202、反対432の大差で否決されるに至ってしまいました。

この時の主な原因は、イギリスがEUを離脱することで、英領北アイルランドとアイルランドの間で通関が復活してしまう(アイルランド問題は次項以降で詳述します)。

結果として、北アイルランドの民族主義者(アイルランド帰属派)との紛争が激化することが大きく懸念されていたことが根底にあります。

この時の修正案では、EUにおいて部分残留を可能ならしめ、(アイルランドにおける)通関を不要にした修正案が議会に提出されるに至りました。

しかし、逆に保守党内での強硬的離脱派などが反発し、投票に造反する者が出たことが、大差による否決の原因となったと考えられました。

ここで、日本人の我々が注意すべき所は、アイルランドという国の地政学的視点です。

アイルランドは、イギリスの西側に位置するアイルランド島の独立した国です。

しかし、このアイルランド島の北部に「英領北アイルランド」が地続きで存在しています。

つまり、国境が地続きであり関税(通関)も検疫も全てこの国境を境にして行われるということを理解しなければなりません。

日本のように単一の統治(政治)システムで統治される国土にあって、しかも全てが海に囲まれた国家と思われがちなイギリスですが、このアイルランド問題が大きくクローズアップされてきました。

かつては、アイルランド共和軍(IRA:Irish Republican Army)とイギリスとの間で内戦・テロ等が頻発した時代や地域でもあります。

この「アイルランド」と「英領北アイルランド」が紛争を起こす原因については、一種の宗教戦争的なところがありましたが、ここでは主題から外れますので後の項に譲ります。

いずれにせよ、この地続きの地域の問題があったことは確かです。

次に、翌日2019年1月16日に最大野党である労働党がメイ内閣に対する不信任案を提出しましたが、これは逆に賛成306、反対325の19票差で否決されるに至り、メイ世間は命脈をつなぎました。

しかし、2016年6月の国民投票でブレグジットが国家方針として決められて以降、当初ブレグジット予定日であった2019年3月29日を過ぎても決められないでいることとなり、ブレグジットに対する混迷度合いが深まったと言えました。

そもそもメイ首相は離脱賛成派ですが、あくまでも穏健な形での離脱を望むことで離脱条件ともなるEUとの協定案が離脱強硬派(同じ離脱を望むグループ)により否決され続けているのが大きな原因になっていました。

実は、メイ首相は3度も協定修正案を出しましたが、ことごとく否決されてしまった経緯があります。

そのため、EU離脱期限が当初の2019年3月29日から2019年10月31日と7か月も遅らせる結果になっています。

その後、メイ首相の努力も実らず数々の国内調整が不調に終わりました。

2019年5月24日、ついにブレグジットに関する調整に行き詰まりを見せたメイ首相は辞任を表明、さらに2019年6月7日には保守党党首も辞任するに至ります。

メイ首相辞任後、次の第77代イギリス首相に就いたのが、メイ内閣で外務大臣に就いていたボリス・ジョンソン氏が就任することになりました。(ボリス・ジョンソン氏については後述します)

ブレグジット(Brexit)の問題点

次に、ブレグジットの問題点と影響についてご紹介したいと思います。

既述の進行状況の項をご覧になられた方も同じ意見だと思うのですが、英国民のいわゆる半数ずつが賛成派と反対派になって、国を左右する事案であることが多くの波乱含みを起こしています。

つまりそこには問題点や課題点、それに全世界的な影響が考えられています。

少し観念的な話になりますが、ドナルド・トランプアメリカ合衆国大統領の掲げる「America First」という標語に代表される「自国第一主義」が世界の国々を刺激しています。

自国の利益のためであるならば、少々のデメリットも顧みず実施してしまうという大きな世界潮流です。

ブレグジット実施について、その賛否がいくつもの理由が専門家によって挙げられていますが、結局のところ、イギリス国民が最大の利益を享受することに焦点が絞られてきています。

国際的な博愛、共存、共栄といった精神では薄れてきていることは間違いない事実です。

これは、国民感情に多く左右される流れがあり、世界で随所に見られる現象です。

我々の所属する地域であるアジアでも、日本と韓国のギクシャク度合いも深まっています。

中東情勢も怪しくなってきています。

そうした中に合って、ブレグジットは、「金銭の問題ではなく、価値観をめぐる対立だ」とか「取り残された人々による民主的な階級闘争になっている」などの専門家の発言もあります。

では、このブレグジットで最大の問題は?と聞かれた場合、口を揃えて言われるのは、先ほども少し触れましたが「アイルランド問題」になります。

そこで次にこのブレグジットで最大の問題点として挙げられる「アイルランド問題」ご紹介しましょう。

そもそも、アイルランドはキリスト教の中でもカトリックの多い国ですが、一方のイギリスはプロテスタントの国です。

アイルランド島は北海道に北方領土を足した面積しかなく、8万4千平方キロメートル強です。

また、アイルランドと英領北アイルランドの国境には総延長500キロメートルにも及ぶ国境があります。

過去勃発した「北アイルランド紛争」がその過激さを増した時代がありました。

しかし、過去を遡ること40年以上前の1973年にEUに対してイギリス、アイルランドの両国が同時加盟したことにより、国境紛争がひとまず決着したことで紛争が鎮静化しました。

しかし、今回のブレグジットによりその火種が再燃する可能性が出てきたことで、専門家や政治家たちの間で問題視されています。

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ブレグジット(Brexit)の影響

さて、今回のイギリスのブレグジットに関していろいろな側面での影響が考えられます。

トピックスや評論などを見るとマイナス面の影響をよく目にします。

ここでは、まずイギリスにとってブレグジットのもたらすプラス面について、離脱派の主張する内容から見てみることにします。

その後、EU域内だけではなく全世界的な影響をご紹介したいと思います。

ブレグジット影響、支出削減が可能

イギリス政府がEUに対して支払っている公的予算額が週当たり約350万ポンドであり、これだけの支出を抑制することで、インフラ整備や公的病院の建設・整備が可能になるとの意見を出しています。

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日本円(1ポンドを130円とした場合)にした場合、4億6千万円にもなり、月間では4倍の18億2千万円、年間で220億円近くが支出され、ブレグジットによりこれらが抑制できるとしています。

ブレグジット影響経済的利益

残留派(離脱反対派)からは、離脱するための経済的コストが2020年までに1,000億ポンド(13兆円)あるいはGDPの5%相当の経済的マイナスが発生するとしていることに対して逆の見方を行っています。

つまり、長期的にこのブレグジットを見ると、『EUの長期経済への影響は、離脱によって加盟国の政治的プロセスがより均質なものとなり、逆説的にEU経済はややプラスになる可能性がある。』としています。

ブレグジット影響自由貿易

前ロンドン市長で現イギリス首相のボリス・ジョンソン氏は、このブレグジットを成し遂げることで、イギリスの貿易優位性が高まると主張しています。

ボリス・ジョンソン氏を筆頭に離脱派の有力者は、ブレグジットによりヨーロッパやその他の国々と新らたな貿易協定を発展させることにつながると主張しています。

要するに、イギリスの国家としての意思によって自由に多国間貿易をすることはイギリス国家としての利益につながるが、現在のEU組織では加盟27か国の合意を待たざるを得ない状況で英国としての自由貿易が阻害されているとしています。

ブレグジット影響国内テロの防止

EU域内を自由に行き来できる者の中には、テロを画策している者もいるとし、EU内に残留すれば、こうした危険人物も容易に国内に侵入させることができてしまうとしています。

国境を厳格に警備し出入国管理を厳正にすることで、これらの国内テロを未然に防ぐことが可能としています。

ブレグジット影響国民保健サービスの保護

現在のEU域内における保険サービスが市場原理に基づき動き始めていることの危険性を説き、イギリスはイギリス本来の保険サービスを導入しなければならないとしています。

このことは将来における社会保障を含めた国家政策の大きな要になりえる案件で、EU域内ではその実現が難しいとしています。

以上、離脱派の主張するブレグジットにおけるメリットを5つに分けてご紹介しました。

次に、残留派の言うブレグジットによるデメリットの影響をご紹介しましょう。

この内容は、多くの世界的経済学者や専門家の主張している内容とほぼ合致しているといってよいでしょう。

ブレグジット影響City of London (ロンドン)の国際的地位の低下懸念

世界の金融・証券などの一大中心地として栄えているロンドンを単に「シティ」と呼ぶことがあります。

現在もなお、EUにおける代表的金融センターもこのシティにあります。

しかし、ブレグジットによりイギリス対EUの構造ができると、ドイツのフランクフルト、フランスのパリにその世界的地位を逆転されてしまうのではないかとの懸念が広がっています。

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ブレグジット影響EUにおけるユーロに対する不信感増強懸念

上の①とは逆に、EUからイギリスが離脱することで、EUの共通通貨である「ユーロ」の信頼性が減少し「ユーロ安」を招きかねないという懸念もあります。

全世界から見たヨーロッパを見れば、その財政的裏付けの多くをイギリスが担っていることでユーロの信頼性も安定できているという見方もあります。

日本へのブレグジット影響(生産拠点の見直し)

日本も経済界で、欧州向け製品の輸出拠点としてイギリスに工場を多く設けています。

特に影響が大きいのは自動車産業で、イギリスはその地政学的な位置付けからヨーロッパ各国に新車を送り出す絶好の拠点でした。

自動車を大量に輸送できるのは船便で、ほぼ全てのEU諸国に直接届けることができる位置になります。

しかし、ブレグジットによりEU諸国へ関税が必要となれば、イギリスに生産拠点を持つメリットが薄れ、立地の見直しを行わなければなりません。

データ的には少し古くなりますが、2015年にイギリス国内で生産された自動車は158万台で、この内50%近くをトヨタ自動車、日産自動車、ホンダが占めています。

そのような中で、ホンダはイギリスの生産拠点であるスウィンドン工場が閉鎖されると報じられたりしています。

日本への影響(サプライチェーンの見直し)

上の生産拠点を見直すことは、すなわちサプライチェーンそのものの見直しを図ることになります。

これにより、イギリス国内の生産能力が相対的かつ広範囲に衰退してしまう懸念が考えられています。

企業の人材移動についての問題

生産拠点、サプライチェーンの見直しとなれば次には人材の移動に関する問題も懸念されます。

EU域内に入っていることで、EU諸国内であれば自由に人材を行き来させることが可能であったのが、イギリスとEU間での人材の行き来が難しくなるという懸念が出ています。

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(5)ブレグジット(Brexit)の今後

以上ブレグジットに関して概観してきましたが、先日就任したジョンソン首相がその舵取り役になり、ブレグジットを実行していくことになりそうです。

離脱強硬派とでもいうべきこの「ボリス・ジョンソン」氏についてどういう人物像であるかを見ることで、ブレグジットの今後を占う上で重要になってくると思われます。

そこで、以下このジョンソン氏について概観してみたいと思います。

このボリス・ジョンソン首相は、外電などの海外メディアでは批判的に伝える光景が多くみられますが、英国内では、その破天荒な発言やこれまでの経歴に対して絶大な人気を誇っていると言えるでしょう。

また、ブレグジットについては、欧州経済協力体(EEC:European Economic Community)当時より離脱を主張していることで一貫しています。

今回のブレグジットと呼ばれるEU離脱についても首相着任後より強硬路線を採っておりイギリス国内では物議を醸し出している状態になっています。

それでは、このボリス・ジョンソン首相の横顔を個人情報、経歴・考え方等に分けてご紹介しましょう。

今後のブレグジットの行方を考察するには重要なファクターになると考えられます。

ボリス・ジョンソン首相個人情報

ジョンソン首相の正式なフルネームは、「アレグザンダー・ボリス・ド・フェファル・ジョンソン」と言います。

日本では姓である「ジョンソン」を採ってジョンソン首相と呼んでいます。

イギリス国内では、その人気を反映して「ボリス」とファーストネームで呼ぶ国民が多いということで、このことはイギリス首相としては初めのことだと言われています。

生まれは、1964年6月19日、日本でいえば昭和39年になり2019年の今年で56歳になります。

ボリス・ジョンソン首相の家系は複雑で、そのルーツをたどれば英国王室やユダヤ系ロシア人の古文書学者などが見当たります。

また、宗教的には、キリスト教、ユダヤ教、ムスリムという種々の系統の家族を先祖に持っています。

本人曰く「るつぼからなる人間(one-man melting pot)と言わせしめるほどの人物になります。

家族では、ジャーナリストである妹のレイチェル・ジョンソン、弟は国会議員のジョー・ジョンソンと起業家であるレオ・ジョンソンがいます。

3人妹弟の最年長者になります。

本人は、ケンブリッジ大学のエリートコースを進み、ジャーナリストになってから政治家になっています。

また結婚は1987年に一度目の結婚、1993年離婚と同年2度目の結婚で4人の子供を持つことになりました。

ボリス・ジョンソン首相経歴・考え方

ボリス・ジョンソン首相の社会人としての出発点がジャーナリストであり、当時のECの本拠地ブリュッセルでEC批判を巻き起こしたジャーナリストとして名を馳せた時期もありました。

その後イギリスに戻りコラムニストとして生計を立てていましたが政治の世界に登場、庶民院議員となりました。

ボリス・ジョンソン首相の言動には、現在のトランプアメリカ合衆国大統領と同じような雰囲気が伝わっており、人種差別的発言、既存協定の非難などその都度物議を起こした人物でもあります。

前任のメイ首相の下では、外務・英連邦大臣に起用され、イギリス国内の知名度を決定的なものにしました。

またボリス・ジョンソン首相は新首相に就任後、33閣僚ポストのうち8名もの女性閣僚を登用、BAMEと呼ばれる黒人、アジア人、少数民族、などの非白人閣僚を4人も入閣させたことでも話題になりました。

一方では、11名もの閣僚を解任し、他の6名の辞任を受けることになりました。

その後、2019年9月3日には『さらなる離脱期限の延期なら「ノタレ死“DEAD IN A DITCH”のほうがマシだ』と述べる等ブレグジット強硬派の性格がよく表れています。

今後の動きには注視する必要がありそうです。

(6)ブレグジットまとめ

ブレグジットに関する概説から、現ジョンソン首相の横顔までをご紹介しました。

今後のブレグジットの行方は、おそらく2019年年内にある意味終焉を迎え、何らかの決着がつくものと考えらえます。

EUではイギリス抜きの組織、イギリスはEU離脱後のあらゆる分野への準備が着々と進んでおり、今やイギリスのEU離脱は詳細な手続きや仕組みを除けば不可避な決定と言えるでしょう。

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