アメリカ中間選挙とは?仕組みや日程は、いつ行われるのか?

アメリカ

アメリカの選挙で耳にするものの1つに、「アメリカ中間選挙」と呼ばれるものがあります。

アメリカ大統領選挙については知っていても、アメリカ中間選挙のことはあまり知らないという方もいるのではないでしょうか?

そこでアメリカ中間選挙の仕組みや日程はいつ行われるか等を中心に紹介していきたいと思います。

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アメリカ中間選挙はいつ開催される?

アメリカ中間選挙について理解するためには、まずアメリカの選挙制度について知る必要があります。

アメリカ合衆国の主要な選挙は3つに大別されます。

まずはアメリカ合衆国大統領選挙、2つ目がアメリカ合衆国連邦議会選挙、そして3つ目がそれぞれの州の州知事選挙になります。

アメリカ大統領選挙はその名前の通り、アメリカの大統領を選出するもので、4年ごとに行われます(アメリカ大統領の任期が4年間であるため)。

2つ目の連邦議会選挙は2年ごと(下院については任期が2年、上院が6年ですが、2年ごとに3分の1ずつ改選していく取り決めとなっているため選挙自体は2年ごと)、3つ目の州知事選挙は4年ごととなっています。

そのため、アメリカ大統領選挙と州知事選挙は同じ日にまとめて行われますが、連邦議会選挙のみ2年ごとの実施となるため、4年間のうちのちょうど真ん中にあたる時期に選挙が行われることになります。

この時期に開催される連邦議会選挙のことを痛感選挙と呼ぶのです。

アメリカ中間選挙の位置づけ

アメリカ中間選挙には、次のアメリカ大統領選挙の前哨戦的な意味を持ってもいます。

前述したように、アメリカ大統領の任期のちょうど真ん中あたりに開催されるこのアメリカ中間選挙が終わった後には、アメリカ大統領選挙の候補者選出の動きが大きくなるのです。

前回2018年11月6日に開催されたアメリカ中間選挙は、2020年のアメリカ大統領選挙に繋がる大切な位置づけとなっています。

アメリカ合衆国連邦議会とは

次に、アメリカ中間選挙の行われるアメリカ合衆国連邦議会についての説明となります。

アメリカ合衆国連邦議会は、上院と下院により構成される二院制となっています。

上院の定数は100議席で、前述したように任期は6年、2年ごとに3分の1ごとが改選される取り決めになっています。

下院の定数は435議席で、こちらも前述のように2年ごとに改選されることになっています。

下院は上院とは異なり、435の全議席が改選されます。

上院の議席の配分は、州の人口や面積といった様々な要素に関わらず各州2名と定められています。

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アメリカ中間選挙の傾向

アメリカの中間選挙における特徴を説明したいと思います。

アメリカ中間選挙がアメリカ大統領選挙の候補者選出に関係してくるものであるということは前述しましたが、それ以外にも特徴があります。

アメリカ中間選挙においては、現職の議員が再選されやすい傾向にあります。

1960年以降のアメリカ中間選挙の下院において、90%より少なくなったのはたった一度だけです。

もう1つの特徴が、選挙区です。

アメリカ州議会が連邦議会の区割りを決めることとなっているため、多数派となっている党が選挙に有利となるような区分けをすることができるのです。

下院の選挙区のうち、アフリカ系のアメリカ人、ヒスパニックといった人々の多い区が増加しています。

そしてこの人種の人々は民主党を支持する割合が高くなっています。

民主党にとって多数の得票を獲得することが可能である地域をまとめることによって、それ以外の選挙区で勝利するという手段を共和党は使用しています。

他の特徴としては、上院と下院の改選が挙げられます。

ここまでに述べてきた通り、上院は2年ごとに3分の1ずつ改選されていくのに対して、下院は2年ごとに全ての議席が改選されます。

そのため、アメリカ中間選挙において下院は世論の影響を受けやすいという傾向にあります。

また、アメリカ大統領選挙と比較すると投票率が低いという特徴もあります。

これはアメリカ大統領を決定する選挙と比較して国民の関心が薄くなるために生じる傾向です。

アメリカ中間選挙の歴史

これまでに行われてきたアメリカ中間選挙について注目してみましょう。

1990年のアメリカ中間選挙から、現在までの約30年間を振り返ってみたいと思います。

アメリカ1990年中間選挙

1990年のアメリカ中間選挙は、11月6日に実施されました。

結果としては、事前予想通りに上院、下院ともに民主党が議席を増加させました。

具体的には、上院において民主党が56議席、共和党が44議席に、下院においては民主党が267議席に、共和党が167議席へとなっています。

民主党が勝利することになった要因はなんでしょうか。

支持を集めていたブッシュアメリカ大統領でしたが、グラム=ラドマン=ホリングス法と呼ばれる、財政赤字を削減するために成立した法案をめぐって支持が急落したことが、この年の共和党敗北の要因の一つとされています。

また、この選挙における他の特徴としては、現職政治家に対する反発です。

この時期は経済的な不況が蔓延しており、それに対して有効な対策を打ち出せていないという不満を始めとし、前述したグラム=ラドマン=ホリングス法関連の処理など、政治的な駆け引きに拒否感、不信感といった感情を有権者が持ったためではないかと考えられています。

とはいえ、現職議員の落選が非常に多かったというわけでもなく、再選の結果を見てみると現職が有利である傾向はそのままであったと言えます(現職議員の落選は、上院で1議席、下院で18議席)。

この年のアメリカ中間選挙では、民主党で初めての黒人の上院議員が誕生するのではないかということも注目されました。

その舞台となったのはノースカロライナ州でしたが、この選挙においては票数が拮抗しており、僅差で黒人候補のシャロッテが破れる結果となりました。

1994年アメリカ中間選挙

1994年11月8日に実施されたアメリカ中間選挙では、改選前の上院の議席は民主党56議席、共和党44議席だったものが民主党47議席、共和党53議席に、下院の議席については改選前が民主256議席、共和党178議席だったものが民主党204議席の共和党230議席と、共和党が圧勝する結果となりました。

改選前は上院、下院、州知事、州議会の全てで半数以上を占めていた民主党でしたが、改選後は一転、共和党が優勢に、民主党は歴史的な大敗となったのです。

民主党が敗北を喫した要因としては、クリントンアメリカ大統領の不支持が挙げられています。

クリントンアメリカ大統領は当選した際も43%と低い水準の得票率であり、その後も人気が低迷していました。

アメリカ中間選挙の投票率については39%となっています。

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このアメリカ中間選挙について、より詳細なところを見ていきましょう。

まずこのアメリカ中間選挙でのポイントといて、共和党の勝利が挙げられます。

1954年から、民主党が多数派を常に握ってきていましたが、それを40年ぶりにひっくり返した格好となっています。

ここからは民主党が大敗北を喫した理由について深掘りしていきたいと思います。

前述したように、クリントンアメリカ大統領の不支持が要因と1つであるとされていますが、他にもいくつもの要因があったとされています。

例えば政治に対する不信感が挙げられます。

有権者は、連邦議会が国民のことを考えた仕事ができていないと判断していたようです。

ニューヨーク・タイムズ紙のCBS調査によれば、1994年の過去20年の間は、議会の仕事について評価するとした人は30%に満たない状態でした。

他には、先に述べたような選挙区割りの影響もあります。

今回のアメリカ中間選挙においては、選挙区の区割りが変更になったのです。

新しい規定では、南部の州について黒人の議員が選ばれやすいよう、黒人が多数派となる区分けがなされました。

すると必然的に、それ以外の州では黒人の割合が減少することとなります。

民主党は黒人の票を集めていたため、この区分け変更によって逆風にさらされることとなったのです。

1998年アメリカ中間選挙

1998年のアメリカ中間選挙は11月3日に行われました。

クリントンアメリカ大統領の偽証問題なども相まって、事前予想としては共和党が議席を増やすものと思われていましたが、結果としては民主党の勢力が拡大することになりました。

改選前は上記1994年のアメリカ中間選挙を参照してください。

改選後は上院が、民主党18議席、共和党16議席となり、下院においては、民主党が211議席、共和党が223議席となりました。

アメリカ中間選挙の投票率については、前回の39%を下回る36%を記録しました。

これは1942年以降では最低水準の値となっています。

事前予想に反する結果となったのには、様々な理由が重なったものとみられます。

共和党が選挙におけるポイントとしたのは、先にも述べたクリントンアメリカ大統領の不倫疑惑でした。

それに対して民主党は社会保障問題、最低賃金引上げといった政策に主眼をおいたものとなっていました。

有権者は、クリントンアメリカ大統領叩きを行う共和党に対して良い印象を持たなかったようで、結果として共和党への得票率低下に繋がったとみられています。

有権者の投票の決定に関わった要素として、倫理が最も大きく20%、次に経済・雇用14%が続き、社会保障関係の要素がいくつか続いた後、アメリカ大統領の不倫問題は5%という結果でした。

アメリカ大統領の不倫疑惑が有権者の投票結果を左右した一因であることは間違いないですが、それ以上に社会保障のような政策に対する意識が高かったということが窺えます。

共和党について、もう少し詳しく見てみましょう。

前述したように、共和党はクリントンの疑惑に主眼をおいて選挙活動を行いました。

アメリカ大統領の不倫疑惑が選挙の争点ではないと共和党幹部が主張したにも関わらず、同党はクリントンアメリカ大統領のスキャンダルを盛り込んだTV広告を放映するなどしました。

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この行動には一貫性がなく、これによって有権者が共和党に抱く心証が悪くなったという見方が一般的です。

TV広告の放映された地域こそ限定的であったものの、全米のマスコミが取り上げた結果、全国的な影響をもたらしたとされています。

対する民主党についてもより詳しく見ていきましょう。

アメリカ中間選挙の下院において、議席を増やしたのは64年ぶりのこととなる歴史的な出来事です。

ローマー民主党全国総括委員長は、共和党は民主党よりも1億1千万ドルも多い資金を使ったにも関わらず民主党は勝利を収めたとし、教育、健康、社会保障といった点を制作の課題として明確に国民に向けて掲げた民主党に対して、共和党は政策に重点を置かずにクリントンアメリカ大統領に焦点を当ててばかりいたとしています。

2002年アメリカ中間選挙

2002年のアメリカ中間選挙は、11月5日に行われました。

前年には9.11同時多発テロが発生しており、それ以降で初めての大きな選挙となりました。

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この選挙の投票率は39.3%となり、前回のアメリカ中間選挙より若干上昇しました。

共和党の勢力は事前予想を超える拡大となりました。

共和党が多数派を占めるのはアメリカ合衆国の歴史の中でも珍しいことです。

上院では1981年~1987年に、下院では1950年代の前半くらいのもので、下院はそれ以降、前述した1994年のアメリカ中間選挙に至るまで多数派となったことはありませんでした。

1994年に多数派となったものの、4年後の1998年アメリカ中間選挙では民主党勢力が拡大する結果となっています。

しかし、2002年アメリカ中間選挙は1994年のものとは傾向が全く違うと言われています。

様々な要因が重なった結果、両党が拮抗した状態になったと考えられていますが、要因の一つとして考えられているのが先程も取り上げた同時多発テロ事件です。

ブッシュアメリカ大統領の、このテロに対する対応が支持を得たことや、アメリカ大統領自身の選挙活動への積極的な姿勢などが評価されたとされています。

また、そこにテロ以前から入念に実施されていた選挙戦略も加わり共和党の勝利に繋がったのです。

共和党が明確なメッセージ性を持った選挙戦略を立てていたのに対して、民主党はそれに対抗できるようなものを打ち出せなかったのが敗因と指摘されています。

ブッシュアメリカ大統領は、選挙直前からではなく2001年の春頃からアメリカ中間選挙に向けた長期的な計画を練っていたということもわかっています。

共和党が行ったのは、共和党と民主党間の違いを曖昧にする方法、適当な候補者の選出、大規模な投票を促す活動といったことで、組織が一丸となった結果このアメリカ中間選挙での勝利に結びついたとされています。

共和党が集めた選挙資金は民主党と比較すると1億8000万ドル以上であり、アメリカ中間選挙に対しての意気込みをこの数値からも読み取ることができるでしょう。

このように共和党は周到に、入念に選挙戦略を練ってこのアメリカ中間選挙に臨んだわけですが、対する民主党の選挙活動には甘さが見られました。

戦争、テロ、経済問題など国民の注目する議題について一貫したメッセージを発信することがありませんでした。

具体的には年金問題、高齢者医療保険に関する問題などを取り上げていましたが、あくまでそれは反対ということの表明であり、明確な対案を示すことができなかったのです。

これは民主党に優れた指導者が不在であるということでもあります。

2006年アメリカ中間選挙

2006年のアメリカ中間選挙は、11月7日に行われ、民主党が上院、下院ともに多数派となる結果となりました。

具体的には、上院では民主党が49議席で民主党よりの無所属2名を加えて51議席、下院は民主党が233議席に増加、共和党が202議席に減少する結果です。

民主党が両院において多数派となるのは実に12年ぶりのことでした。

これによりブッシュアメリカ大統領が属する党(共和党)と、連邦議会の多数派を占める党(民主党)が異なる分割政府へとなりました。

分割政府とは、政権党が議会のうち少なくとも一院において多数派となっていない状況のことを指します。

2006年のアメリカ中間選挙の投票率は、40.4%となり2002年から微増しました。

事前予想としては、民主党は議席を増やすとは考えられていたものの、議席の過半数を取るのは難しいとされていました。

しかし、民主党は前述したように上院下院ともに過半数の議席を確保することができました。

では、なぜ民主党は予想を超える勝利を得ることができたのでしょうか。

原因を知るために、支持政党ごとの得票がどのようになっているのかについてのデータをまず示します。

ポイントとなるのは、明確な支持政党のない人々からの得票です。

2006年における出口調査では、民主党への前述の人々の得票は57%と、前回選挙よりやや伸ばしました。対する共和党は39%となっています。

その他の世論調査においても、民主党のほうが共和党よりも、支持政党の無い層からの得票数が多くなっているということが明らかになっています。

民主党支持、共和党を支持する有権者のうちの9割が支持政党に投票しているという現状であり、そのため流動票である支持政党を持たない人々の票が重要になってくるというわけです。

加えて、アメリカ中間選挙は大統領選挙に比べ投票率が低いこともポイントとなります。

支持基盤をどれだけ動員できるのか、という点もアメリカ中間選挙において必要な要素であるということです。

このアメリカ中間選挙では共和党が大きく得票減となっていますが、それを知るためには投票した際にどのような要素を重視したのか、という点が重要になってきます。

ニューヨーク・タイムズ紙の調査によれば、最も重視した要素で1番となったのがイラク戦争です。

イラク戦争の支持派の約8割が共和党に、不支持派の8割が民主党に投票するという結果が明らかとなっています。

そして出口調査の結果では、イラク戦争の支持派の割合が2004年の選挙から比較して9ポイント減少しています。

共和党の大幅な得票減には、イラク戦争支持派の減少という要因が大きく関わっていたということになります。

2010年アメリカ中間選挙

2010年のアメリカ中間選挙は、11月2日に行われました。

投票率は40.4%となり、再び前回より微増した形となります。

上院は100議席中37議席が改選され、民主党53議席に増加、共和党は47議席に減少、下院は民主党が193議席へと減少、共和党が242議席に増加となる結果になりました。

上院と下院で多数派の政党が異なる状態とねじれと呼びますが、このねじれが生じるのは10年ぶりのことになります。

このアメリカ中間選挙の結果を受けて、オバマアメリカ大統領は民主党の完敗であるということを認めました。

民主党がこのアメリカ中間選挙で失った議席は63議席にもなります。

これと同程度の議席を失った例は、1938年の71議席減以来の大幅減となります。

ねじれ状態になったことにより、民主党は予算を通したり新しく立法をしたりする際に、共和党との折り合いが必須となります。

ではこの年のアメリカ中間選挙では、なぜ民主党が敗北を喫したのでしょうか。

New York州立大学のジェームズ・キャンベル氏によって、その理由が説明されています。

共和党を支持する動き、オバマ政権への評価といった事象に加えて民主党の揺り戻し減少があったと指摘されています。

このアメリカ中間選挙では、多数の現職議員が落選しています。

現職議員の落選は珍しいことではありますが1994年にも前例があります。

しかし2010年の現職議員落選は1994年のもととは違うという見方が強いです。

2006年には民主党が上院、下院ともに多数派となる躍進をしていますが、2010年には揺り戻しが発生したという指摘をニューヨーク・タイムズ紙のパイ氏もしています。

今回のアメリカ中間選挙においては、「ティー・パーティー運動」が話題となりました。

ティー・パーティーとは、2009年から始まった、2010年のアメリカ中間選挙に向けて行われている保守系の市民運動のことを指します。

名称はボストン茶会事件にちなんだものです。

オバマ政権が発足してから、オバマに反対する保守派が集まり、大型景気対策、医療保険制度の改革といった「大きな政府」に対抗して、増税の無い「小さな政府」を掲げることとなりました。

このティー・パーティー運動の勢いを利用して、共和党はアメリカ中間選挙に勝利したのでした。

有権者に広がる不満は、支持政党に関わらないものであったためにより一層、この運動による影響が大きくなったものとみられます。

2014年アメリカ中間選挙

2014年のアメリカ中間選挙は、11月4日に実施されました。

オバマアメリカ大統領にとっては野党にあたる共和党が上院、下院ともに過半数の議席を獲得する結果となりました。

改選後は、上院においては民主党が46議席と減少、共和党が53議席と増加しました。

下院に関しては、民主党が186議席に減少、共和党が244議席へと増加する結果となっています。

上院、下院とともに共和党が多数派となったことにより、議会のねじれは10年ぶりに解消されることとなりました。

オバマ政権は、上下両院とも野党の共和党が多数派を占めることとなったため、政権運営は厳しいものとなることが予想されます。

今回のアメリカ中間選挙において、共和党が勝利を収めた理由はなんでしょうか。

第一に挙げられるのが、オバマアメリカ大統領に対する支持の低下と言えます。

選挙期間でのオバマアメリカ大統領の支持率は4割程度と当時の過去最低水準となりました。

オバマアメリカ大統領は再選後2年が経過しています。

一般的にアメリカ大統領任期が6年目のアメリカ中間選挙においては、与党側が不利となる結果が多いそうで、この時も例に洩れずそのようになったとみられます。

しかし共和党が勝利した要因はそれだけではないと考えられています。

なぜならば、有権者の共和党に対する支持も低いからです。

下院に関して、共和党の支持率は20%にも満たないというデータが発表されています。

不支持率は80%弱にも及んでいるのです。

ではなぜこのような状況下で、共和党が勝利することができたのでしょうか。

それは、有権者が野党よりもオバマアメリカ大統領の率いる与党に責任があると判断したためと考えられます。

先程も言葉が出た医療保険制度ですが、実施する段になり準備が足りなかったためつまずくというと事態が発生、また、期待された移民制度や税制改革といったことに進展が見られないなど、実績を残せていないため有権者の大きな不満に繋がったとみられます。

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共和党はこのような民主党の隙を上手く突いたと言えます。

共和党はこのアメリカ中間選挙のことを、オバマ政権、および民主党への不信任投票であると世間に訴える方針を打ち出しました。

このような共和党の戦略に有権者がなびくかたちとなったため、支持率事態は高くなくとも有権者から票を得ることに成功したと考えられます。

その他の要因としては、選挙への関心が薄かった層の影響ということも考えられています。

2012年のアメリカ大統領選挙においてオバマ氏と民主党を支持した、若年層、ヒスパニック系といった層が、今回のアメリカ中間選挙においては投票率が少なく、これに上記のような理由が重なったため民主党が敗北するに至ったという考え方です。

2018年アメリカ中間選挙

一番新しく行われたアメリカ中間選挙は、先に述べたように2018年のものです。

この選挙における投票率は、フロリダ大学のマクドナルド教授の推計によれば50.1%と過去最高水準となりました。

1971年以降に18歳から20歳の年齢層の投票が認められており、それ以降の投票率と比較してみます。

1974年から2014年の間の、アメリカ中間選挙における平均投票率は39.4%です。

そしてアメリカ大統領選挙の投票率が60%前後となることが多い傾向になりますが、2018年の投票率は例年と比較して非常に高い値となっており、アメリカ国民の関心の高さを窺うことができます。

関心が高くなった理由としては、トランプアメリカ大統領の存在があります。

出口調査のデータによると、投票した人の7割近くが投票した理由としてトランプアメリカ大統領を挙げていたのです。

そして約4割の人がトランプアメリカ大統領に対する反対の意を表明するために投票していたこともわかっています。

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改選後の結果としては、まず上院が、共和党が53議席に微増、民主党が45議席に微減しました。

そして注目すべきは下院であり、共和党が199議席へと大幅減(36議席減)、民主党が235議席へ大幅増という結果になりました。

改選の結果、上院と下院で多数派となる党が異なるねじれ状態が生じる結果となりました。

トランプアメリカ大統領率いる共和党は、上院では過半数の議席を獲得しているものの、下院においては多数の議席を失うこととなりました。

ここまで述べてきたように、アメリカ中間選挙で与党の側が厳しい戦況に立たされるのは珍しいことではありません。

前述したようにトランプアメリカ大統領に対する反対の意を表明した人々が多かったことがわかっています。

トランプアメリカ大統領が就任してから2年が経過しています。

これまでの政治に対する姿勢を見た有権者が下した判断は、前述した通りですが、もともと不利であった状態にその世論が重なった結果、下院において大幅に議席減となったともいえます。

このアメリカ中間選挙の結果を受けて、トランプアメリカ大統領は”Tremendous success tonight.”=「素晴らしい勝利だ」とツイッターで述べました。

これは上院において議席の過半数を獲得することができるということから発せれられた言葉と考えられます。

しかし、下院においては民主党側に分があります。

トランプアメリカ大統領は選挙の大勢が判明した後に記者会見を行い、経済成長策、インフラ、貿易等の観点で民主党と協力したいと述べましたが、民主党が協力する可能性は低いとみられています。

民主党の議席を増やす要因となった要因の1つが、女性の候補者が増えた理由の1つでもある、「#MeToo」運動です。

これは性被害の告発を行う運動であり、この運動が背景にあったため下院においては239名もの女性議員が出馬することとなりました。

改選前の時点で女性議員は84議席となっており、史上で最も女性議員が多い状態となっていましたが、その状態からさらに増加し、100人規模の議席を獲得することとなりました。

しかし下院全体に占める女性の割合は23%程度であり、史上最も多い状態とはなったものの、まだ十分ではないという見方もあります。

民主党の議席増加のもう1つの要因として考えられているのが、若年層の若者の投票率が向上したということです。

タフツ大学のデータによれば、18歳から29歳の若年層の投票率は、前回アメリカ中間選挙で21%、今回のアメリカ中間選挙ではそれよりも10ポイントも高い31%に上昇したことが明らかにされています。

民主党は若者への選挙への参加などを呼びかけており、それが若者の投票率上昇の要因の1つとなったと考えられています。

上院と下院で議席の多数派を占める政党が異なる状態になったことで、トランプアメリカ大統領は立法や予算案などについて、通りにくくなるとみられています。

例えばトランプアメリカ大統領の掲げている公約には、アメリカとメキシコの国境に壁を作るというものや、オバマケアの撤廃などが挙げられます。

アメリカ中間選挙まとめ

アメリカのアメリカ中間選挙は、アメリカ大統領選挙とアメリカ大統領選挙のちょうど中間に行われる選挙であり、上院は議席の3分の1が、下院は全議席が改選されます。

アメリカ大統領選挙の中間に行われる選挙であることから、アメリカ大統領選挙の前哨戦的な意味合いの強い選挙となっています。

アメリカ大統領選挙と比較すると例年、投票率が低くなる傾向にありますが前回のアメリカ中間選挙では高い投票率となり、有権者の関心の高さを窺うことができます。

前回のアメリカ中間選挙では、トランプアメリカ大統領への反対の意を示す有権者が多いということが浮き彫りとなりました。

トランプアメリカ大統領にとっては、ねじれの状態となった連邦議会で苦戦することになるでしょう。

そしてこのアメリカ中間選挙の結果が次回2020年のアメリカ大統領選挙にどのような影響をもたらすのか、注目されるところです。

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