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AIIB(アジアインフラ投資銀行)とは?失敗?現在は?海外の反応は?

AIIB(アジアインフラ投資銀行)

世界には、様々な国が加盟して融資を受けたり開発計画を立てたりする機関が存在しています。

最近注目を受けているのが、AIIB(アジアインフラ投資銀行)と呼ばれる機関になります。

中国が主導するかたちで設立されたこの機関がどのようなものなのかご紹介したいと思います。

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AIIB(アジアインフラ投資銀行)とは

AIIB(アジアインフラ投資銀行)とは、Asian Infrastructure Investment Bank:アジアインフラ投資銀行のことで、国際開発金融機関のひとつです。

国際開発金融機関とは、発展途上国の産業育成などのために経済開発計画の立案協力のほか資金供給を行う金融機関になります。

代表的なものには国際通貨基金(IMF)が挙げられます。

AIIB(アジアインフラ投資銀行)は中国が主導して発足した機関であり、設立当初は57ヶ国が参加していました。

AIIB(アジアインフラ投資銀行)に関しては、最初はアジアの国々の参加表明がほとんどでしたが、イギリスが参加する意思を示したことを皮切りとして欧州の国々が参加表明を始めることとなりました。

2017年時点で加盟国は70ヶ国・地域を超えました。

アジアにおいてはすでにアジア開発銀行と呼ばれる金融機関が1966年より存在しています。

STRATEGY2030と呼ばれる運用計画を掲げています。

この計画においては、ADB(アジア開発銀行)は豊かで包括的で回復力があり、持続可能なアジア太平洋地域を達成するという展望を持っています。

ADBアジア開発銀行の2017年における加盟国・地域は67ヶ国・地域となっており後から設立されたAIIB(アジアインフラ投資銀行)に追い越されたかたちとなっています。

さらに、AIIB(アジアインフラ投資銀行)の総裁である金立群は2019年7月12日に年次総会において記者会見を行い、13日に新たに3つの加盟国と地域を承認し、100を超える加盟国と地域に達する見込みであるということを発表しました。

ただし、2019年時点で日本やアメリカは参加する意思を表明していません。

すでにアジアを対象とする金融機関があったにも関わらず中国がAIIB(アジアインフラ投資銀行)の設立を主導したのには大きく2つの理由が存在しています。

1つが、アジア開発銀行の融資スピードが遅いことが挙げられます。

ADBアジア開発銀行の審査は非常に厳しく融資が決定するまでに時間がかかってしまうという課題を抱えています。

そこでAIIB(アジアインフラ投資銀行)は融資の基準を緩和し、資金供給のスピードを上げることによって加盟国を増やし影響力を高めようとしていると考えられています。

しかし融資の審査を緩めることについては、リスクも伴っています。

例えば環境に悪影響を与えたり、人権侵害へと結びつくような開発案件が浮上したりすることに対するリスクも指摘されています。

もう1つは、従来の金融体制における反発が挙げられます。

これまでの国際金融体制は基本的に先進国が主導するかたちで行われてきました。

例えば、世界銀行やIMFについては資金供出の大きな先進国に発言権が存在するようになっていました。

その状況下では新興国の発言の影響力は小さいという問題が生じていたのです。

これらの状況を踏まえたうえでAIIB(アジアインフラ投資銀行)は設立されました。

ここからは、参加国と非参加国の説明とともにAIIB(アジアインフラ投資銀行)の現状を紹介し、さらに詳細を説明していきたいと思います。

AIIBの(アジアインフラ投資銀行)参加国

先にも述べたように、2019年においてAIIB(アジアインフラ投資銀行)に加盟している国と地域は100を超えました。

その国や地域についてもう少し詳しく説明したいと思います。

まず設立当初の時点での参加表明国は57ありました。

まず2014年の時点で参加表明したのが23ヶ国で、中国、モンゴル、フィリピン、ベトナム、ラオス、カンボジア、タイ、ミャンマー、マレーシア、シンガポール、ブルネイ、インドネシア、バングラデシュ、インド、ネパール、スリランカ、モルディブ、パキスタン、ウズベキスタン、カザフスタン、オマーン、カタール、クウェートとなります。

続いて2015年に参加を表明したのが34ヶ国で、タジキスタン、キルギス、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、イスラエル、イラン、トルコ、ヨルダン、ニュージーランド、韓国、オーストラリア、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、ルクセンブルク、スイス、オーストリア、ロシア、ブラジル、オランダ、ジョージア、デンマーク、エジプト、ポルトガル、スペイン、フィンランド、ノルウェー、マルタ、アイスランド、ポーランド、スウェーデン、アゼルバイジャン、南アフリカ共和国となります。

その後も2018年12月19日にアルジェリア、ガーナ、リビア、モロッコ、セルビア、モロッコの加盟の承認、2019年4月22日にはコートジボワール、ギニア、チュニジア、ウルグアイの加盟が承認されるなど加盟国は増加し、2019年7月12日時点で加盟国・地域が100を超える見通しとなったのです。

7月12日の年次総会において承認された3ヶ国・地域については具体的な情報が出ていませんが、設立当初57であった加盟国・地域から大きく増加しまたこれからも増加するであろうことがわかります。

そして、AIIB(アジアインフラ投資銀行)に参加を表明していないアメリカや日本の動向も注目されます。

アメリカのAIIB(アジアインフラ投資銀行)に対する対応

中国との貿易摩擦が問題となっています。

この問題が出てきたのはアメリカがトランプ大統領の政権に変わってからとなります。

トランプが大統領に就任したのは2017年の1月であり、その1年後の2018年に大きな動きがありました。

それが他国の製品に対する関税付加措置です。

2018年の1月には太陽光パネルに30%の関税を課すことが発表されます。

アメリカの太陽光パネルの輸入先で2位にあたるのが中国です。

また、同年3月には鉄鋼とアルミニウム製品に関税の追加を行うと発表します。

アメリカの鉄鋼製品の輸入でトップとなっているのが中国です。

貿易赤字を是正するためにトランプ大統領は先に述べた製品に留まらず、半導体や医療機器、電気自動車など1000品目以上の中国製品に関税をかけることになります。

その規模は340億ドルに及びました。

これに対して中国が反発することとなります。

アメリカの関税に対抗するかたちで、中国はアメリカから輸入する製品に関税を掛けることとしたのです。

その品目はおよそ800品目にも及び、500億ドル規模に達しました。

中国のこの報復措置に対してアメリカはさらに追加で関税を課すことを決定します。

中国からの輸入品6000品目以上について2000億ドル規模の追加関税を行うことを決めたのです。

それに再び対抗するかたちで、中国は600億ドル規模の追加関税を実施します。

結果として、アメリカは中国からの輸入品の約50%、中国はアメリカからの輸入品の約70%に関税を課すこととなったのです。

このようにアメリカと中国の間には大きな貿易摩擦が発生しており、アメリカがAIIB(アジアインフラ投資銀行)の参加を見送る大きな要因となっています。

2019年6月29日に、制裁や報復関税を繰り返すことを一旦停止する「一時休戦」で合意した両国ですが、貿易摩擦が解消されたと言うにはほど遠く、未だ対立の構造は残っている状態となっています。

貿易摩擦がAIIB(アジアインフラ投資銀行)の参加を見送っている大きな要因ではありますが、それだけではありません。

アメリカが参加を見送る意思を最初に表明したのはAIIB(アジアインフラ投資銀行)が設立される以前のこととなっています。

ロイターによって伝えられた情報によりますと、中国の経済的な影響力であるとか、国際的な環境基準等を守るのかどうかといったことに関してアメリカが危惧しているとのことでした。

ただし、アメリカもただ参加を見送っているというわけではありませんでした。

アメリカの財務長官は2015年に、条件付きでAIIB(アジアインフラ投資銀行)を歓迎すると発表しているのです。

結果としてその後中国とアメリカの間に貿易摩擦が発生してしまったことによってアメリカ参加には大きな壁が立ちふさがってしまいましたが、当初アメリカはこのようなスタンスを表明していたのです。

日本のAIIB(アジアインフラ投資銀行)の対応

日本もAIIB(アジアインフラ投資銀行)設立以前に参加を表明しませんでした。

これはアメリカの不参加に同調したものとなります。

麻生財務相は2015年の3月末に参加に関して慎重とならざるを得ないと話しています。

条件としては審査の透明性を確保することや、融資の持続可能性や環境への影響などへの配慮などが行われることを挙げましたが、結論としては不参加の表明となりました。

このあたりについて、より詳しく掘り下げてみたいと思います。

言論NPOでは、2015年4月にAIIB(アジアインフラ投資銀行)に関する有識者へのアンケートを実施しています。

回答数は108です。同年3月に日本政府がAIIB(アジアインフラ投資銀行)の参加を見送ったことに対して、「参加見送りの日本政府の判断は正しい」が36.1%、「日本政府の判断は誤りであり、参加すべき」が44.4%、「アメリカと行動を一緒にすべきで、アメリカの参加が不明なため参加すべきでない」が7.4%、「わからない、もしくは無回答」が12.0%となりました。

また、他にも質問がいくつかあります。

その一つが、AIIB(アジアインフラ投資銀行)に対してどのような懸念を感じているかというものであり、AIIB(アジアインフラ投資銀行)の組織運営に関するガバナンスが不透明であり、中国の主導する運営においてそれが改善されるのか不明な点、という回答が29.6%で最多となりました。

次点で、(アンケートを取った)現時点において、なんのためのインフラ戦略家が不透明であり、中国の一帯一路構想に使われてしまうのではないか、という懸念が23.1%となりました。

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その一方で大きな懸念材料はないとする人も13.9%存在していました。

また、2015年4月にテレビ朝日の実施した世論調査で、AIIB(アジアインフラ投資銀行)に関するものが実施されています。

その質問は、『アジア諸国を対象に、経済発展に必要な道路、港などの公共施設を建設するために融資する、中国が提案するアジアインフラ投資銀行の設立が進められています。

安倍内閣は、アメリカとともにAIIB(アジアインフラ投資銀行)参加を見送っています。

あなたは、この判断は、正しいと思いますか、思いませんか?』というもので、これに対する結果は「正しいと思う」が59%、「正しいと思わない」が11%、「わからない、もしくは無回答」が30%となりました(調査対象1000人、有効回答率47.6%)。

これらのデータからは、AIIB(アジアインフラ投資銀行)設立直後においては、日本政府が参加を見送ったことに対して否定的な意見と肯定的な意見が拮抗していたことを窺うことができます。

それでは、その後はどのような状況に変化したのでしょうか。

2017年の5月に経済同友会が記者会見を行っています。

その記者会見において小林喜光代表幹事はAIIB(アジアインフラ投資銀行)に日本が参入することを前向きに検討すべきであるという見解を表明しています。

また同氏は以下のようにも述べています。

AIIB(アジアインフラ投資銀行)がアジアの国々に対して強硬な姿勢を取るのでなければ、双方が栄えるという意味で前向きな対応をするのは自然なことである、という見解です。

AIIB(アジアインフラ投資銀行)参加を見送っている日米に対しては、その後AIIB(アジアインフラ投資銀行)の金総裁からも、一般的な言葉ですが言及がありました。

2018年にムンバイで開かれた年次総会において、金総裁はAIIB(アジアインフラ投資銀行)がすべての国に開かれており、ともに働きたいという歓迎の意思を示しています。

なお、北朝鮮が過去に加盟新線したことについては真実ではないと否定しています。

その後も日本はAIIB(アジアインフラ投資銀行)に対してまだ加入はしておらず、慎重な姿勢を保ち続けています。

2018年1月、安倍首相は参院本会議にてAIIB(アジアインフラ投資銀行)に関して述べました。

民進党の藤田氏に対する答弁において、AIIB(アジアインフラ投資銀行)は運営が始まってまだ短いことに言及し、公正なガバナンスの確保や環境・社会に対する影響への配慮がなされるかといったことなどに関して注視していきたいと続けました。

その後も慎重な姿勢を崩すことはなく、今に至っています。

また、AIIB(アジアインフラ投資銀行)参加を断念することとなった国や地域も存在しています。

北朝鮮と台湾です。

まずは北朝鮮ですが、これは中国側の拒否によって参加を断念することになりました。

北朝鮮は2015年の2月に中国へと特使を派遣しており、AIIB(アジアインフラ投資銀行)に加入要請をしていましたが拒否に至りました。

その理由としては、北朝鮮の金融および経済の水準が、国際金融機関に加盟するレベルに達していないと判断されたためです。

2016年に北朝鮮に関しての言及が再びなされました。

この年の年次総会において、北朝鮮のようなAIIB(アジアインフラ投資銀行)に加盟していない国について投資をする計画があるか、という質問がありました。

これに対して金総裁は、非加盟国が加盟国となることによって投資を受けることが可能になる、と一般的な回答をしました。

加盟申請においては、IRBD(国際復興開発銀行)かADB(アジア開発銀行)の加盟国であることを条件としており、北朝鮮はどちらの加盟国にもなっていません。

そのため北朝鮮がAIIB(アジアインフラ投資銀行)に加盟するのは難しいということになります。

台湾は2015年3月31日にAIIB(アジアインフラ投資銀行)への加盟申請をしました。

台湾と中国との間には「一つの中国」と呼ばれる問題が横たわっており、注目されました。

「一つの中国」とは中国政府の主張の1つであり、「台湾は中国の不可分の領土であり、中国は一つのみである」といった主張です。

結果として台湾は除外されることとなります。

同年5月の時点においては、AIIB(アジアインフラ投資銀行)への台湾の加入は歓迎との表明がなされていました。

中国の習近平総書記と台湾の朱立倫主席が会談した際のやり取りです。

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ただし、前述した「一つの中国」の主張が中国と台湾の交流の基礎となるとの主張も同時になされました。

最終的に台湾が参加を断念することとなった要因としては、台湾がAIIB(アジアインフラ投資銀行)に加入する際には、AIIB(アジアインフラ投資銀行)に直接申請を行うのではなく、中華人民共和国財政部より申請する必要があることが明らかとなったことが挙げられます。

台湾の財政部は「台湾の尊厳を損ねる」として反発し、AIIB(アジアインフラ投資銀行)への参加は見送られることとなったのです。

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AIIBの業務と現在は?

それではAIIB(アジアインフラ投資銀行)がこれまでに行ってきた業務について概要を説明していきたいと思います。

2018年9月の段階において投資、融資について、国別に見てみるとインドが7件、次いでバングラデシュが4件となっています。

割合で言うとインドは四分の一を占めており、これは金額ベースにおいても同じです。

なお、金額ベースではインドが7億ドル、次点がトルコとアゼルバイジャンの各6億ドルとなっています。

投資、融資分野の観点においては件数ベースでエネルギー分野と交通運輸分野が多く、全体の3分の2を占め、金額ベースにおいては7割をも占めます。

また、投資・融資の形態は大きく2つに分けることができます。

1つが世界銀行やADB(アジア開発銀行)などとともに協調して行う協調案件で、もう1つがAIIB(アジアインフラ投資銀行)のみの単独案件となります。

2019年時点で協調案件の割合が6割を占めており、まだ単独案件は少ないという状況になっています。

これに関しては後述しますが、人材不足が大きな原因とされています。

AIIB(アジアインフラ投資銀行)は案件を成立させて実績を積み上げたいところであり、そのため既存の国際開発金融機関との協調案件が多くなったとみられます。

協調案件に関しては今後も引き続き行われていくと見られています。

案件の中でインドが多くなったのには、インドの状況を理解する必要があります。

インドは現在急成長中の国ですが、インフラ整備が未発達なところもまだ多くあります。

その環境に加えて、後述しますが、AIIB(アジアインフラ投資銀行)への出資が中国に次いで多いということも挙げられるでしょう。

ただし、今後もインドの案件のみが続く可能性は低いと見られます。

加盟国が増加する中、インドの案件のみを優先して執り行っていけば、他の加盟国から不満が出るのは明らかだからです。

さて、2018年6月に開催された総会では、金総裁が業務報告を実施しています。

そこで説明があったのは以下の4分野です。

1つ目が、戦略・業務方針の策定、2つ目が投資・融資の拡大、3つ目が財務基盤強化、4つ目がガバナンスおよび組織の強化です。

1つ目についてはすでに決まっているテーマを掘り下げ、2020年までに全体戦略を策定する予定であることを示しました。

2つ目については、低所得の国においてもプロジェクトを承認できるように進めています。

前述したAIIB(アジアインフラ投資銀行)の単独案件も進めていくことによってより一層の拡大を目指しています。

3つ目については、後述しますが、世界でも良く知られた格付け機関によって最高ランクの格付けがなされており、順調に進んでいると報告しています。

4つ目については、委員会を設置するなどして管理体制を強固なものとしています。

質、そして量の双方の強化がなされるような構造を模索しています。

AIIB(アジアインフラ投資銀行)と一帯一路

先に述べた通り、AIIB(アジアインフラ投資銀行)を主導していた中国に対しては一帯一路の構想に組み込まれているのではないのかと言われています。

そもそも一帯一路とはどのようなものなのでしょうか。

一帯一路はOne Belt, One Road Initiative:略称をOBORとする経済・外交構想のことです。

2013年に習近平国家主席により提唱され、その翌年に開催されたアジア太平洋経済協力首脳会議にて世界の国々へと発信されることとなります。

「一帯」が指すのは中国から中央アジアを通りヨーロッパへと達するルートで、シルクロード経済帯とも呼ばれます。

「一路」が指しているのは中国、東南アジア、パキスタン、バングラデシュ、スリランカ、サウジアラビア、イラン、エジプトを繋ぐルートのことを指し、21世紀海上シルクロードとも呼ばれます。

この2つの貿易ルートから成るのが「一帯一路」なのです。

金総裁は、AIIB(アジアインフラ投資銀行)と一帯一路の関係を、同じ飛行機にある2つのエンジンのようなものであると説明しました。

飛行機に設置されているエンジンには繋がりがある一方で独立してもいて、その関係にAIIB(アジアインフラ投資銀行)と一帯一路を当てはめて、相互に繋がるインフラの整備ということと、地域間の協力を促すという点に関して繋がっていると主張しました。

加えて、AIIB(アジアインフラ投資銀行)は金氏は事業選択において3つの基準、すなわち財務の持続可能性、環境改善を進めること、地元民の支持を得ること、が存在しこれに従い事業を進めていくことを述べています。

そうすれば一帯一路への信頼感が増し、一帯一路へ懸念されている事項も問題ないと思ってもらえると述べています。

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AIIB(アジアインフラ投資銀行)の海外の反応は?

ここまで述べてきたように様々な懸念が指摘されてきたAIIB(アジアインフラ投資銀行)ですが、国際社会に認められつつあるのは事実であると言えるでしょう。

それは、設立当初57ヶ国・地域であった加盟国が100に達したことからもわかりますし、様々な機関におけるお墨付きも得ています。

まずはアメリカの格付け機関であるムーディーズ・インベスターズ・サービスの評価です。

同社は2017年6月末にAIIB(アジアインフラ投資銀行)のランクを最上位である「Aaa」に認定しました。

その評価に至った理由としては、ガバナンスが強固であること、自己資本が厚く、流動性が高いと言った点が挙げられました。

この評価は世界銀行やADB(アジア開発銀行)と同等の高いランクであり、設立して2年と経たずにここまで到達したのです。

次にイギリスの格付け機関であるフィッチ・レーティングス社です。

2017年7月にムーディーズと同じく最上位の格付けとなる「AAA」の評価を得ています。

理由として、高品質の企業統治と広範な対策によるリスク低減を挙げています。

残る1つがアメリカのS&Pグローバルレーティング社で、こちらも前述した2社と同様に最上位にあたるトリプルAの格付けを与えています。

それに加えて、同年10月にはバーゼル銀行監督委員より0%のリスクウェイトの評価も得ています。

このように中国が主導して影響力を強めているAIIB(アジアインフラ投資銀行)ですが、全て順調に進んでいるというわけではありません。

例えば融資額が挙げられます。

設立から3年半が経った2019年の段階における融資額の総額は約84億ドルとなっています。

これは、当初立てられていた目標の100億ドルと大きく離れています。

その理由として金総裁は質を重視しているためと述べています。

そこには前述した一帯一路構想への危機感があると見られます。

着実に信頼感も獲得している中国ではありますが、融資額という観点から見ると、その懸念が完全に払拭されているわけではないということがわかります。

ADBとAIIB

先にも述べましたが、AIIB(アジアインフラ投資銀行)を語るうえではADB(アジア開発銀行)も外せない要素となっています。

ここでは、両者の特徴について紹介し、それぞれの違いについて見ていきたいと思います。

ADB(アジア開発銀行)が本社を置くのはフィリピンのマニラで、設立は1966年になります。

加盟国・地域は67ヶ国で、世界の26か所に事務所が設置されています。

資本金は2014年末に1540億9200万ドルで、主要国は日本、アメリカ、中国など、最大の出資国は日本とアメリカで16%近くを占めています。

設立に至っては、日本の財務省の旧機関である大蔵省の関わりが深く、その以降が色濃く反映されて設立に至っています。

ADB(アジア開発銀行)の主要事業は大きく4つに分けることができます。

1つが加盟国の新興国に資金の支援をすること、2つ目が開発プロジェクトや開発プログラムの準備と、実行のための支援および助言、3つ目が開発のための公的もしくは民間のサポートの促進、4つ目が加盟国の新興国の開発政策調整などとなっています。

組織は総務会と理事会により構成されています。

総務会は政策を決定する最高機関であり、それぞれの加盟国から1人の総務が着任することとなります。

なお、総裁はこの総務会において決められることとなり、今は中尾武彦氏が総裁を務めています。

理事会が行っているのは融資の承認のような通常業務となっており、こちらはマニラに駐在している12人の理事より構成されています。

さて、AIIB(アジアインフラ投資銀行)はというと、本部は中国の北京に位置しており、設立は2015年と新しいです。

総裁を務めているのはここまででも紹介してきた金立群氏です。

資本金は1000億ドルで、ADB(アジア開発銀行)と比較するとやや少なくなっています。

加盟国・地域は2019年時点で100に達し、設立からだいぶ早い段階においてADB(アジア開発銀行)の加盟国を上回っています。

最大出資国は中国で約30%、次いでインドが約8.4%、ロシアが約6.5%と続きます。

AIIB(アジアインフラ投資銀行)は理事会と董事会、そして行長によって構成されています。

理事会は加盟国全てが参加しています。

立ち位置としては、最高意思決定機関とされていますが、決定権のない事象も多くあり、権限は比較的乏しいといえます。

権限を持つものとしては、総務会の準備、銀行政策の制定、銀行オペレーションの決定などが挙げられます。

反対に決定権を持たないものとして、新規加盟国の受け入れ決定や加盟国の資格停止などを挙げることができます。

董事会は域内国から9名、域外国から3名の理事により構成されます。

行長は域内国から選出され、任期は5年となっています。

ADB(アジア開発銀行)においてはマニラに理事が駐在する環境となっているのと異なり、本部のある北京には理事を駐在させていません。

この理由としては組織運営の効率化を中国が挙げています。

AIIB(アジアインフラ投資銀行)の業務は普通業務と特別業務の2パターンに分けられています。

普通業務は、授権資本、起債資本、貸付・担保の回収資金などを含む普通資本からの融資業務を行うこととなっています。

特別業務は特別基金に関する業務となります。

AIIB(アジアインフラ投資銀行)の今後

中国が主導して進んでいるAIIB(アジアインフラ投資銀行)ですが、脱中国の動きも見え始めています。

2019年7月に開催された年次総会においてそれが明らかとなりました。

開会式においては、金立群総裁がアジアと世界を繋げることの重要性を述べ、中東やアフリカの新興国へのインフラ整備の融資を拡大していくということを示しました。

また、一番懸念されている事項が人材と言われています。

2019年時点でその人数は300人以下であり、3000人を超える人材を有しているADB(アジア開発銀行)からすると非常に規模が小さいということがわかります。

このように人材では他の国際金融機関に幅を開けられている状態のAIIB(アジアインフラ投資銀行)ですが、その動きには各国が目を光らせています。

というのも、AIIB(アジアインフラ投資銀行)が視野に入れている経済圏の大きさのためです。

金総裁はアジアとヨーロッパはどちらもユーラシア大陸の上にあり、理解し合えるという主張をしました。

AIIB(アジアインフラ投資銀行)が設立される遥か前より、アジア圏の人々とヨーロッパの人々は交流をするために努力をしてきたことも述べましたが、その主張には一帯一路への懸念への牽制があるとみられます。

ここまでも述べてきたように、AIIB(アジアインフラ投資銀行)は中国の一帯一路構想を成すための銀行なのではないかと指摘されており、それに対する反論であると考えられます。

中国はなぜそこまでにユーラシア経済圏に固執するのでしょうか。

その理由は、ひとえに経済圏の規模の大きさにあると言えます。

ユーラシア大陸の主要国の国内総生産の総計は38兆ドルにも達し、その割合は世界の45%をも占めるのです。

このユーラシア経済圏を手中に収めることができるのであれば、多大な影響力を持つことに他なりません。

AIIB(アジアインフラ投資銀行)まとめ

国際開発金融機関の1つであるAIIB(アジアインフラ投資銀行)は中国が主導して発足した金融機関であり、設立当初は57ヶ国であった加盟国および地域は、2019年で100に達しています。アメリカと中国間には貿易摩擦に端を発した対立構造があり、AIIB(アジアインフラ投資銀行)への参加を見送っています。

日本はアメリカに追随するかたちで参加を見送り、その対応には賛否が分かれています。

一帯一路構想のためにAIIB(アジアインフラ投資銀行)を利用しているのではないかという指摘がある他、様々な懸念事項も指摘されてはいるものの、有名な格付け機関から最高評価も得ており、着実に信頼感を築き上げています。

そんな中でAIIB(アジアインフラ投資銀行)の脱中国の動きもみられることもあり、徐々に変革が進みつつあります。

規模を増したAIIB(アジアインフラ投資銀行)の影響力は今後もますます大きくなることが予想され、その動向が注目されるところです。

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